ニュースを分析する前に、その前提を確認しておきましょう。
エネルギー需給の統計データです。
EIAやIEA、BPの統計を引っ張ってきても良いのですが、手近にあるものでとりあえず済ませます。
CRB Commodity Yearbook 2005
CRB Commodity Yearbook 2006
世界国勢図会 2005/06
世界国勢図会 2006/07
以上4冊を参照します。
まず、インドネシアのエネルギー生産量を見てみましょう。
石炭 石油 天然ガス
1995 3460 1503 203633
1996 3945 1547 248574
1997 4340 1520 248585
1998 5027 1518 274281
1999 5892 1472 282485
2000 6402 1423 267707
2001 7554 1340 258122
2002 8588 1249 280939
2003 9551 1151 289371
2004 11021 1095 282364
2005 - 1069 -
単位は、石炭が千トン/月、石油が千バレル/日、天然ガスがテラジュール/月です。
「1テラジュール」は2億3890万キロカロリーで、3000トンの氷を融かすことができる熱量です。
石炭の統計には「無煙炭」と「瀝青炭」だけを含んでいます。インドネシアの場合、褐炭の産出が多いらしいのですが、ここには含まれていません。
まず、石油に目を向けましょう。
1994年以前のデータがありませんのでこれだけでは断言できませんが、上記を見る限り1996年にピークに達してます。
減少率を計算してみましょう。
1996-1997 △1.75%
1997-1998 △0.13%
1998-1999 △3.03%
1999-2000 △3.33%
2000-2001 △5.83%
2001-2002 △6.79%
2002-2003 △7.85%
2003-2004 △4.87%
2004-2005 △2.37%
ピークオイル関連の英文記事を読むとしばしば出てくる、"terminal decline" とか "irreversible decline" という語が実感できます。
次回からは、統計データを記事の内容と照らし合わせます。