日刊工業新聞という新聞があります。

日経産業新聞、フジサンケイビジネスアイ(旧日本工業新聞)と並んで、産業系ニュースを広く詳しく報道する日本3大紙の一つです。(フジサンケイビジネスアイはちょっと毛色が違うかもしれませんが...)

私の勤務先は技術指向の企業なので、3紙とも勤務先で購読しており、従業員たる私も図書コーナー(?)で読むことができます。

日刊工業新聞では最近、毎週火曜日と木曜日に、「エネルギー 安全保障と環境のはざまで」という特集記事を載せています。昨日で24回目です。

その昨日の特集記事 - メタンハイドレートに関する内容 - に注目すべき記述がありました。

最後の段落を抜粋します。

「エネ庁はMHが海洋産出試験を経て生産に向かうのは2016年以降と判断。現状は数年前よりは探査技術が向上し、MHの分布エリアははっきりしてきた。ただ地下にあるMHをどう分解するのか課題は多い。原油が生産のピークに向かう中、MHが天然ガスシフトを加速するアクセレーターとなれるのか。」

エネ庁は経済産業省の傘下にある資源・エネルギー庁のことです。

MHはメタンハイドレートのことです。

驚くべきことに、無造作に「原油が生産のピークに向かう中」と書いています。実にあっさりと。

しかし、日刊工業新聞は「ピークオイル特集」なんか載せていません。

「エネルギー 安全保障と環境のはざまで」特集の一連の記事において、いや、私が知る限り、これが日刊工業新聞が最初にピークオイルについて記述した記事です。

私の解釈はこうです。

個人的な見解: 日刊工業新聞社の一部の人たちは、「ピークオイル」、「石油崩壊(Petrocollapse)」の概念をすでに理解しており、近い将来全世界原油産出量のピークがやって来ると考えている。