#75でご紹介しましたピークオイル関連書籍について、少し詳しくご紹介し直しましょう。
書名: 石油の生産量はピークに来たのか? ピークオイルの本質と21世紀のエネルギー
著者: 根岸敏雄 (コスモ石油(株)顧問、理学博士、技術士)
出版社: 石油文化社
初版発行: 2006年4月
http://www.amazon.co.jp/%77f3%6cb9%751f%7523%91cf%306f%30d4%30fc%30af%306b%6765%305f%306e%304b%2015%30d4%30fc%30af%30aa%30a4%30eb%306e%672c%8cea%306821%4e16%7d00%306e%30a8%30cd%30eb%30ae%30fc/dp/4915361225/ref=sr_11_1/250-4526773-6099459?ie=UTF8
まず最初に申し上げておきます。
根岸博士は、「何年ごろにピークを迎えるだろう。ピーク生産量は日量 ~ バレルくらいだろう」という具体的な予測はしていません。
あくまで、「本質的にピークをいつか迎えること自体は間違いない。色々な予測がなされているが、遅くとも2040年くらいまでにはピークを迎えるという点では共通している。それほど遠くない将来である以上、今の時点から対策を検討していくべきだ」という“お行儀の良い”主張しかしていません。
業界人としては、このあたりが現時点で公言できる限界だろうと思います。
このブログを書いている私は「エネルギー産業の端くれ」に分類可能な企業に勤務しています。
世間で使われている用語で言うと、「プラント建設」とか「プラントエンジニアリング」とか呼ばれる、そういう分野の企業です(英語だと hydrocarbon/chemical engineering という、もっとぴったりした表現があります)。製油所の建設なども手がけています。私自身、製油所の建設現場で働いたことがあります。
もっとも、私は勤務先で経理をやっています。地質学や化学工学については素人です。それでも働いていれば、そこそこ情報は入ってきます。
先週のことですが、ある中東の国の工事現場から帰国した同期の知人に、私は訊ねてみました。
私: 「石油の生産量が減ってきていると聞いたけど、本当なのかい?」
知人: 「.....」 (黙ってうなづく)
やっぱり、大きな声では言いたくないことなんでしょうね。