計算の前提が明記されていないことが多いため、エネルギー資源ごとにエネルギー収支を比較して「どのエネルギー資源が有利なのか」を評価しようとしても、なかなかできないことが少なくない、という話をしました。

私も困っています。

セルロース系エタノールの「理論上の」エネルギー収支が10.3(エネルギー生産が化石燃料投入量の10.3倍)だと米エネルギー省の報告書には書いてあります。そこでも計算の前提は「投入エネルギーが化石燃料のみ計算に含められている」ということしか分かりません。

当面のところは、「前提に注意しつつも目安として参考にする」という扱いにせざるを得ないのでしょうか。

いずれにせよ、「エネルギー収支が1を下回るかどうか、1を上回るとしてどのくらいになるか」は、エネルギー資源の評価基準の一つとして必要不可欠だと思います。

「1をぎりぎり上回る」程度では、おそらく不十分で、「最低3~5くらいは必要なのではないだろうか」と私はぼんやり考えています。ウェブサイト上で「最低5は必要だ」という見解を見たこともあります。しかし、そういう見解にも「計算の前提」は付記されていません。今のところ明確なことは言えず、前提が曖昧であることを承知の上でそれでも考える、という態度をとらざるを得なさそうです。