「アメリカ軍部が行動を起こすことが、そんなに重要なのか? アメリカ軍部が認識したからと言って、それが正しいと言えるのか?」
こう思われる方がいらっしゃるかもしれません。
私は「言える」と経験的に思っています。「あいつらをなめない方が良い。歴史を振り返ってそう思う」と思っています。
「アメリカ政府機関が長期戦略を練っていたら、注意深くその背景を探っておく方がよい。その政府機関が、軍部や諜報機関あるいは安全保障に関わる他の部門(エネルギーと食料は、アメリカ人にとっては「安全保障問題」です)だったら特にそうだ」というのが私の意見です。
このことにあまり深入りすると「バイオマス燃料」から話題がそれてしまいますので、深入りしません。過去の例を2つ述べておきます。よろしかったら、みなさんも考えてみてください。(同意されない方が大勢いらっしゃるかもしれません)
(1) 1897年に、日本を仮想敵とする戦争計画「オレンジ計画」をアメリカ海軍は立案開始した。この計画は修正を重ね、1941年以降実行に移された。
(2) 1970年代に「中東の小国を直接軍事占領して油田を確保するプラン」をニクソン政権が検討した。このプランは実行に移されなかったように一旦は見えたが、30年後の21世紀に入ってから「より大きな中東の産油国」を対象に実行されている。(13万人駐屯中ですね)
私の思うに、アメリカの安全保障関係者が戦略を練るとき、彼らは真剣なのです。「荒唐無稽なことを考えている」と一笑に付すのは危険だと思います。