#45と#62では、バイオエタノールのエネルギー収支を原料別に述べました。

情報源によって違いがありますね。なぜでしょう?

実は、偉そうに書いている私にもはっきりしたことは言えません。推定ならできます。

おそらく計算の前提が違うのです。

バイオエタノールのエネルギー収支を計算するときに、何を考慮に入れなければならないか、思いつくところを列挙してみましょう。

input: 以下全ての合計 ...(A)

(1) 耕運機、トラクター、収穫機などの農業機械を動かすのに必要なエネルギー(軽油?)

(2) 灌漑用水を汲むポンプを動かすためのエネルギー(軽油?/電力)

(3) 農業機械/ポンプを製造するのに工場で必要なエネルギー(電力?)

(4) 畑に撒く化学肥料(特に窒素肥料)を製造するのに必要なエネルギー(電力/化石燃料)

(5) 畑に撒く化学肥料(特に窒素肥料)を製造するのに必要な原料としての化石燃料

(6) 化学肥料を工場から畑まで運ぶのに消費するエネルギー(ガソリン/軽油/重油/電力)

(7) 収穫した燃料作物を工場で処理する際に消費するエネルギー(電力/化石燃料/燃料作物それ自体)

(8) 工場で製造されたエタノールをタンクローリー/パイプラインなどでガソリンスタンドへと配送するのに消費するエネルギー(ガソリン/軽油/電力?)

output: 以下の合計 ...(B)

(1) 製造されたエタノールに含まれる化学エネルギー

(2) 副産物から採れるエネルギー(もしあれば)

基本的には、(A)<(B)となれば、「開発を検討する価値のあるエネルギー源だ」という評価を与えることがとりあえず可能になります。