さとうきび・とうもろこし、以前挙げたUBSの指数構成穀物 - 小麦・米・大麦 - の他に、以下の作物の利用もエタノール原料として検討されている、或いは過去に検討された、と読んだことがある。

・甜菜
・ライ麦
・キャッサバ

これらは農地で生産される食料だ。いずれも元々の栽培目的は直接にしろ(牛肉のように)間接にしろ人間の口に入れることだ。

「さとうきびやとうもろこしから抽出した炭水化物を発酵させてエタノールを製造し、自動車の給油口に入れる」という行為は、「人間の口に入れるべきものを機械の口に入れる」ことを意味している。

仮にバイオエタノールに自動車の燃料として人間が依存する社会が到来したとしよう。何らかの原因で世界の食糧生産が落ち込んだり、人口がさらに大幅に増加したりしたら、「人間の口に入れるか、機械の口に入れるか」は深刻な選択になるに違いない。

「農地で栽培した農作物から抽出した炭水化物以外の何か」をエタノール原料と出来ると非常に好ましい。

また、後で詳細を述べるが、穀物の澱粉からエタノールを製造するのは、実はあまり効率が良くない。

そこで注目されているのが、セルロースだ。