毎日新聞社発行の「週刊エコノミスト」という経済誌がある。「週刊東洋経済」、「週刊ダイヤモンド」と張り合っているようだが縄張りが多少はあるらしく、CNYネタを好んで取り上げるのは「週刊エコノミスト」だ。
今週発売の9月13日号もそうだ。6月に続いてCNY特集を組んでいる。香港でいかにCNYが流通しているか書いている。
広東省の企業に加工を委託している日本企業(製造業)の事例を一つ挙げ、日本企業が中国の下請け相手にどのように仕入代金を決済するか、香港が代金決済の場としてどのように利用されているか、記述している。(※)
日本企業 ← 地方政府出資商社@広東省内 ← 地元系製造業@広東省内
という仕入契約(委託加工契約)が結ばれる。この契約系列を「契約系列A」と呼ぶことにしよう。
「契約系列A」では、地方政府出資商社が代金の2割を得る。8割が地元製造業者に支払われる。この孫請け仕入代金をできるだけ絞る。日本企業が従業員計画数を実際の稼動人数の数分の1程度に抑えて計画を策定し、地方政府の許認可を得る。
次に上の「契約系列A」とは別に、以下の「契約系列B」を締結する。
日本企業 ← 地方政府系商社の子会社@香港 ← 地元製造業@広東省内
日本企業から地方政府系商社の子会社@香港に対しては、代金をHKD建で支払う。上記の「契約系列A」では孫請け仕入れ代金が絞られている。だから「地元製造業@広東省内」では、人件費をそのままではまかなえない。その不足分をこの「契約系列B]経由で決済するのだという。
地方政府系商社の子会社@香港から地元製造業@広東省内に対しては、CNY建で支払う。
なぁ~るほどね。ピンとくるところかなりありだ。^^
こういう「輸出入窓口に政府系企業が入る契約スキーム」は、かつてmattが中国向け輸出関わっていたときにも頻繁に出くわした。そのときは北京にある中央官庁管轄の企業だったし、上記のような offshore の子会社経由の決済をわざわざ創り出すために契約金額を「調整」するなんて露骨なことは無かったが...
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※ 中国絡みの仕事にかつて携わっていたが、香港に滞在した期間はほとんど無かった。そのため、香港領域内でCNYがどのくらい流通しているか実感したことが無い。この記事はそれなりに面白かった。
※※ 上記「契約系列A」、「契約系列B」の図式中の矢印「←」は、物品販売の引渡し行為の向きを示している。代金支払いの向きではない。