G7絡みでの市場の噂話から離れ、与件を洗いなおす。

(a)1月25日FT.com記事:米企業在外子会社等から本国への配当2005年減税
(b)米経常赤字:米製造業が稼働率を100%まで上げて輸出振興しても穴埋めできない規模(現稼働率79%)
(c)1月19日FT.com記事:“昨今のJPYは歴史的に見てそれほど強いわけではない”と日銀分析
(d)中東情勢①:1月30日イラク選挙
(e)中東情勢②:イラン核開発
(f)中東情勢③:サウジアラビア国内テロ
(g)Kissinger年頭インタビュー:“2005年、USDは緩やかに下げるだろう”発言。“イランとの対立は極限には達しない”。サウジアラビア言及なし

考えてみる。

(a)はUSD高要因。が、即座にUSD高に振れるのは米多国籍企業にはあまりおいしくない。Alanに陳情し更にUSD安とし、在外資産のUSD建価値を上げた後repatriateするのがおいしい。

(b)は従前からのUSD安要因。解決策は以下3つしかない。

1) 連銀(と市中銀行)が通貨流通を増やす
2) 米国を不況にし、需要を減らして輸入を減らす
3) 米製造業が劇的に生産性を上げる            現実的な策は1)だけだ。

(c)の注目点は、ほかならぬ日銀が定量的分析をしていること。単なる口先だけでなく、80年代にさかのぼるチャートを提示している。FRBとBOJが組めばUSD/JPYはどうにでもできる。

(d)の選挙後でも、「イラク人による民主的で安定した政権の樹立」はどうせ無理だ。シーア派・スンニ派・クルド人の対立がもとからあるし、そもそもイラク国家成立の過程が人為的に過ぎる。そして何より、「民主的で繁栄したイラク」を育て上げる意思など最初からアメリカには無いはずだ。アメリカの目的は「大部隊を駐屯させて産油地帯を影響下に収め、USD機軸通貨体制を維持する」ことだろうから。

(e)のイランについては正直読めない。しかし次に戦線が拡大するとしたら、イランよりはサウジアラビアの方が可能性が高いとは思う。

(f)のサウジ国内テロの報道が最近減ったと思う。不気味な感じ。1年ほど前多かったのに。ムスリム同胞団あたりの動向には注目しておくべきかもしれない。サウジ軍は米企業の支援によって機能を維持しているので、逆に言うと米企業が手抜きすれば、サウジ軍の機能を低下させ、テロリストにつけこむ隙を意図的に与えることすらできる。次の戦線拡大の可能性はここだと思う。

(g)何気ない番組での目立たない発言だったが、こいつは要注意人物だ。

大きく見ると、まだUSD安傾向は継続か...