今回はFT.comではなく、原文を読む。一段落だけ抜粋。

(Quote) As long as the Middle East remains a place of tyranny and despair and anger, it will continue to produce men and movements that threaten the safety of America and our friends. So America is pursuing a forward strategy of freedom in the greater Middle East. We will challenge the enemies of reform, confront the allies of terror, and expect a higher standard from our friend. To cut through the barriers of hateful propaganda, the Voice of America and other broadcast services are expanding their programming in Arabic and Persian -- and soon, a new television service will begin providing reliable news and information across the region. I will send you a proposal to double the budget of the National Endowment for Democracy, and to focus its new work on the development of free elections, and free markets, free press, and free labor unions in the Middle East. And above all, we will finish the historic work of democracy in Afghanistan and Iraq, so those nations can light the way for others, and help transform a troubled part of the world. (Applause.) (Unquote)

論旨:

(1) 中東はまだ圧政の地であり、圧政は米国(と友好国)の脅威であると認識
(2) (だから)中東全体において"forward strategy (テロリストに対して先に攻撃をしかけることを厭わない、例の方針のこと)"を引き続き発動する
(3) (アメリカが主導する民主化のための)改革に反対するものと対決する
(4) 民主化の内容として具体例を挙げた:a. 自由な選挙、b. 自由な市場経済、c. 報道の自由、d. 労働組合結成の自由

「中東にはまだ敵がいる。その敵とこれからも対決し、民主化を推進していく」

というのが表面的な意味だが、mattmickyにはこう読める。

「湾岸諸国の政権を造り替え、その間米軍を駐屯させ続け、石油をコントロール下におく。反対する者は誰であれ攻撃する」

なぜならば、

(a) 自由な選挙をされてしまうと、中東の君主制国家は皆困る。サウジアラビア、クウェート、カタール、UAE、オマーン、バーレーン、そして住民の過半数がパレスチナ難民とその子孫で占められているヨルダン。やっかいなことに産油国が多い。Georgeの言う通りにすると湾岸産油国が軒並み内政不安定になる。(ペルシャ湾岸にはシーア派住民が多いことを忘れてはいけない) シリアは君主制ではないが独裁国家と言ってよく、自由な選挙をされると政権交代となりかねない。
(a')イランの政体がmattmickyには良く理解できないので、とりあえず保留。(ある程度選挙を実施しているように見えるから)
(b) 自由な市場経済ってのは、これまたアメリカ企業が参入できるように、ってわけだ。OPEC結成前に戻せって言ってるのかな。OPECはカルテルだから「自由な市場経済」に反するし。
(c) 報道の自由は(a)と同じで、中東の君主制国家は皆困る。シリアも困る。
(d) 労働組合結成の自由。これはサウジアラビアと湾岸諸国が困るだろう。どの国も外国人労働者(India、Pakistan、Bangladeshあたりが特に多い。パレスチナ難民も多い)に頼って経済を運営している。彼らが組合を結成すると経済の主導権を外国人に奪われると恐れて政府が弾圧にかかるだろう。それともGeorgeはそれら諸国にいる"外国人"は対象としないつもりなのだろうか?

アメリカにとってすばらしいこと(?)に、この計画には「軍隊を派遣するのはテロリストと戦うためです」、「政治改革の目的は民主化です。宗教・民族を問わず民主的な政府に統治されるべきです。権利を剥奪された人たちに手を差し伸べましょう」という簡単には反論できないお題目があることだ。中東諸国の側から言えるのは、「外国人にやってもらう必要はない。自分でやるよ(民族自決)」ということだろう。それも、これまでの民主化政策実績の乏しさを考えると主張しにくい。実際どの国も自発的にはできないでいる。したら現在の政権が崩壊してしまう。

よって、引き続き中東に相当規模の米軍が駐屯し続けると考える。財政支出は年金改革の分だけは減るかもしれないが、連銀が輪転機を回し日本人(と中国人)が米国債を購入する構図は大きく見てこれからも続くだろうと考える。数年単位で見てドル安は継続と見る。

今日の売買: none
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