今日の情報社会でしばしば濫用されているゴシックに対して私が思うのは、インターネットネイティブ世代に特有の習性であり、メディアの怠慢と既得権益が生み出した低俗な文化であると言うことだ。
ここで言うゴシックというのは主に音楽やファッション、文学である。
濫用されたゴスを象徴している言葉に「Mallgoth」というのがある。
これはもともと、正統派ゴス(ゴシック小説やゴシックロックを愛好している人たち)が、ファッションでゴシックをちょっとかじってますみたいな奴らを侮蔑するためにできた言葉。
まあゴシックをガチってる人って基本的に普通ではないし、友達も少ないので、少ない自分たちの畑を踏み荒らされたらそら怒ります。それも、ゴシックがなんだかわかってないような輩にやられたら尚更。
mallとgothを組み合わせた言葉で、サブカルクソ女・男がショッピングモールをたまり場にしているのが由来です。
素人からしてみればどちらもサブカルチャーの参加者で、同じようなものに見えるかもしれませんが、真性ゴスたちは内面に価値を見出すので、モールゴスたちのことは違う人種で蛮族だと思っているわけです。
私はそんなゴスゴスしているわけではないですが、ゴシック・ロックは大好きだしオカルトじみた小説、クトゥルフ神話などをかじってるのでまあゴスでいいんじゃないでしょうか(適当)
日本で馴染み深いのはやっぱりゴシック・アンド・ロリータでしょう。ファッションとして独り歩きしているゴスロリは結構特殊な成り立ちなのでここでは引き合いに出したりしません。(個人的には元マリスミゼルのMana様が大好きだし、彼はちゃんと元のゴスを知っている方なのでモールゴスなんかとは同じにしたくないし)
日本人がゴシックと聞いたら絶対そっちのイメージのほうが強いし、たぶんイギリスの文化としてのゴスに結びつく人はオタクくらいしかいないでしょう。
ゴシック・ロックの代表格と言ったらやはりThe Cureだと思いますが、起源はパンクなんじゃないかなと考えています。ゴシック・ロックの分類はヒジョーに難しく、しばしばニューウェーブ、ポストパンクと混同されます。音がおんなじだ!ってのもあるけど、よく聴いたら全然別物じゃねーか!となります
まあ分類なんてナンセンスなのかもしれないけど…実際これらの違いというのは今でも議論されているものです。
ここからは私自身の意見に過ぎませんが、ゴシックロックはポストパンクでありながらサイケデリックな存在だと考えます。
なぜかと言うと、音楽的にそう聞こえるからとしか言えませんけども、文学的にはまずここで言うゴシックという概念は「死」「孤独」「神秘」が大きなテーマとなっていて、まずニューウェーブとは全然色が違う。
ポストパンクとの共通点は神秘を除いた2つでしょう。ただ、ポストパンクは音楽的な解釈が大きい傾向があるので、ゴシックロックのサウンド、つまりリバーブを多様したサウンド、マイナースケールの進行がポストパンク的要素だというのが一般的な解釈に近いでしょう。
サイケデリアとしてのゴシックも同様にそうと言えるでしょう。
しかしこのジャンル、派生ジャンルなので本当に判断が難しい。
最近超絶盛り上がっているFontaines D.C.にしても、ゴシックロックと呼ばれていたりポストパンクと呼ばれていたりでどっちつかず。どっちでもあり、どっちでもないような…
推測ですが、ドリーム・ポップ、シューゲイズ要素がそうさせているんじゃないかと思います。トリップ系音楽なので。
最近はゴスっぽいバンドはあまり見かけないですけど、ポストパンクならロンドンやリーズあたりにわんさかいるイメージです。…ただ、80年代のいわゆるそれとは聴こえ方全然ちがいます。
ポストパンクの定義もいい加減なものなのです。
前にnoteをやってたときにcrank waveの記事を書きましたが、その時も書いてて納得がいってませんでした。まったく適当です音楽の世界は。理論はちがいますよ、理論はしっかりしてますけど。(後付と言われたらそれはそう)
話が少々脱線しましたがゴシックはそろそろ見直されるべきなのだと思います。
というかもっと早くからそうされるべきです。今こそルネッサンスを!革命を起こさなければ!