会社では、送別会で泣かないんだなと知ったのは入社1年目の3月のこと。

お世話になった上司や事務の女性の方が職場を去られるのに、自分だけが目頭を熱くしていて、職場の他の人たちや異動される当人もヤケにあっさりしているので、何でこの人たちは涙すら流さないのだろうと不思議に思った。

サラリーマンにとって人事異動や転勤は日常茶飯事で、それも望む異動や望まない異動もあるから、そんなのでいちいち泣いてられない、と僕が理解したのはもう少し後のこと。

何で泣かないんすか?なんて涙目で訴えてた新入社員、さぞかし学生気分が抜けなくてうっとおしかったことだろう(汗

でも、このたびいざ自分が異動になり職場を去ることになった。
人事異動はサラリーマンの常、のはずなのだが、僕の場合特殊ケースで、ほぼ同じ職場に21年間も在籍したことになる。

21年というと自分の人生のほぼ半分であり、その間に仕事の面でもたくさんの経験をさせてもらい、自分にとっては感慨深いものがある。
23歳から44歳まで過ごした職場は、公私ともに酸いも甘いもどっぷりと染み込んでいて、青臭い言い方をすることを許していただけるなら、自分にとって、青春そのもの、の場所だった。
(♪BGM「卒業写真」)(笑)

その間に僕は社内の課外活動で妻と出会い、社内結婚をして、二人の子供に恵まれ、そして彼女は少し早すぎる人生を終え天に召された。

そんなたくさんの思いを離任の挨拶で話すつもりで、自分にとっては涙は流さないまでも熱い思いが込み上げるものだった。

しかし、たくさんの人たちの前で緊張していたのと、他の方々に比べてあまりにも思い入れが強すぎ浮いてしまいそうだったので、結局小心者で思ったほどの話はできなかった。

まあ、40超えたオッサンが涙ながらに自分の会社人生を語っていいのは0時を過ぎた飲み屋の席ぐらいだから、浮かない程度ならそれぐらいで抑えておいてよかったのかも。

ともあれ、長年お世話になった職場を後にし、4月からは新しい仕事をさせていただくことになる。
まだ育児事情もあり迷惑をかけてしまうかもしれないが、自分の時間と能力の限りの中、できるだけのことをやりながら、一刻も早く新しい職場の戦力となりたい所存だ。

これまでお世話になった素晴らしい上司の皆々様、優秀な諸先輩がた、同僚、後輩の皆様には、局面局面で支えていただき、改めて感謝・感謝の念に堪えません。

ありがとうごさいました。