ヤッコササゲ(奴大角豆)は、マメ科の一年草です。ササゲの類縁種であり一般的に栽培されているササゲ類中では最も野生的な品種らしく、「wild cow-pea」の異名を持っています。原産地はアフリカで、タンガニーカ、キリマンジャロ山麓(さんろく)から、標高2000メートル地帯にまで野生種が存在しています。中央アフリカで古代に栽培化され、いまは世界各地に伝播(でんぱ)しています。日本へ渡ってきたのは9世紀で、中国から伝来していたようです。 つるの伸びは緩慢で、3枚開く小葉の基部に花序がつきます。開花後に着果する莢は2~3本です。その状態が「物を捧げる手」のような形で上向きに育ちます。莢は長さ約12~20㎝程で、豆の長さ7~8㎜の円柱形をしています。豆の色は白、褐色など多様ですが白色に黒斑(こくはん)のある品種が多く見られます。高温でよく育ち、おもに関東地方以西に栽培されるようで、小豆の代用として煮豆にしたり飯と混炊します。