5か月前から美容院を変えた。
前に行っていた美容院も悪くはなかったけれど、カット+カラーの料金が1万円を超えていたので、私にとっては厳しい金額だった。それに、年齢とともに髪を染め直す頻度が増え、2~3か月に1回でよかったカラーリングが、1か月ごとに必要になってしまった。だから、より家計に優しい美容院を探すことにしたのだ。

いまの美容院はホットペッパー・ビューティーで見つけ、初回限定のクーポン価格が魅力的で通い始めた。はじめて行ったときは緊張したけれど、カットの技術にも満足し、料金も前の美容院より良心的だったので、10年ぶりに行きつけを変えることにした。

今日の午前中もカットとカラーに行ってきた。
私は美容院のような場所では、基本的に自分からは話さない。なにか話しかけられたら愛想よく答える準備はしているけれど、どちらかというと放置しておいてほしいタイプ。カットの間、鏡の前でじっと黙ったまま髪を切ってくれる様子を見ている。

でも、前回行ったとき、ふとしたきっかけでアニメの話題になった。美容師さんの口から、私が観たことのあるアニメのタイトルがポンポン出てきたので、つい嬉しくなり、身を乗り出して話してしまった。そのときから美容師さんとの距離が縮まった気がする。カットの技術だけでなく、自分がいかに居心地よく過ごせるかも大切にしたいので、美容師さんとの相性は大事だなあと思う。思い切ってお店を変えてよかった。

ただ、今日はひとつだけ残念なことがあった。シャンプーのときに顔にかけてくれるガーゼの匂いがタバコ臭かったことだ。たぶん、ガーゼを干している横でタバコを吸って匂いが移ったのだと思うが、直接顔にかかるものには、もうすこし配慮してほしい。途中までは気にしないように努めて我慢していたけれど、やはりシャンプーが終わるまで不快なまま過ごす必要はないと思い直した。

勇気を出して「すみません。ガーゼにタバコの匂いがついているような気がして…」と言い、鼻にかからないよう位置をずらしてもらった。後からすぐにガーゼも新しいものに取り替えてくれた。

じつは、以前通っていた美容院でも似たような不快さを経験していた。そのときはタバコではなく、香水の匂いだった。美容院としてはガーゼに良い香りをつけるつもりで微量の香水を振ったのかもしれないが、直接顔にかけるものなので、嗅覚が過敏な人には「きつくてしんどい」匂いになってしまうと思う。結局、前のお店では遠慮して言えないままだったが、今日は勇気を出せてよかった。

重たくなっていた髪もスッキリしたし、言いたいことも正直に言えたし、お店から出たときはいつも以上に気持ちが軽くなっていた。