## 🗒️ Answer
飲食店を開業しようと思ったきっかけは、町内の役員会での出来事でした。私を含めた3人のメンバーでお酒を飲みながら談笑していたとき、一人が「もう年だから、今の仕事を辞めて焼き鳥屋でもやってみようかと考えている」と発言したのです。私たちはその場で夫婦交代制で店を運営する案を考え話が盛り上がりました。私は経営コンサルタントを生業としているため市場調査や不動産調査を行い、計画の詳細をレポートにまとめる役割を引き受けました。
当日、その話を妻に説明すると、驚いたことに大いに賛成してくれました。私としては反対されるかと思っていたので、その賛同が私の意欲を一層高めました。そこで、後日飲食店経営に詳しい知人に相談し実際に物件を見て回るなどしてさまざまなアイデアを得る事でレポートを3枚にまとめたものをメンバーに配布しました。しかし、その後は進展がなく、彼らの興味は薄れていったようでした。正直、落胆しました。
一方、私の本業であるコンサルティング業務は、生成AIの進化によって今後縮小するだろうという懸念を抱いています。すでにAIは写真生成やプログラミングの自動作成を具現化しており、小学生でも手軽にアプリを開発できる時代になっています。野村総合研究所の調査でも、「今後10年で消える職種」の中に専門性の高い仕事も含まれていました。このような背景から、私のようなコンサルタント業も将来はAIに取って代わられるかもしれないという不安を2年前から感じていました。
そうした中で飲食店は魅力的に映りました。実際に店舗運営に必要なスキルや初期投資の大きさには不安がありましたが、AIでは代替できない食を通じた人と人の繋がりを提供実現することには価値があると考えました。当初は焼き肉店を考えていましたが、排気ダクトや無煙ロースター等の設備に関する費用の問題と焼肉の煙が近隣住民の苦情原因になる事を考え、一度は飲食店開業を諦めかけたました。
しかし、縁があって自宅隣の空き家を安価に譲ってもらえる話が出てきたため、この物件を使って飲食店経営を考え始めたのです。更に、知人から「もつ煮」というヒントをもらい、もつ煮を提供する食堂の運営に至りました。
(つづく)