〜〜以下、引用アリのネタバレ感想文〜〜
ムーミンパパの半生が描かれている作品だった。
人生の半分が描かれていると言うことで、なかなかこれはどんな作品だ、こんなテーマだ、と言い切れない、厚みのあるお話だったと思う。
ムーミンパパも「くりかえし読みかえすことを、おすすめします」と言っているように、読み手のその時の心境や立場で、心にのこるセリフやシーンが変わってくると思う。
妙に気になるセリフやシーンが多くて、私も思わず数々の箇所に鉛筆を引いてしまった。
ただ、今回ひとつ大きく印象を受けたセリフがある。
それは多分、私が今、YouTubeでお料理教室をやろうと奮闘している状況だからだと思う。
ムーミンパパのお仕事についてのセリフです。
「神秘的なはやさでできたうつくしい家のプランには、わたしは、じぶんながら、ほれぼれするほど感心しました。
これは、わたしが、親からうけついだ才能のためにちがいありませんが、わたし自身の能力や判断のよさや反省のただしさによるものです。」
まず、本を読んでいただければ分かるのですが、ムーミンパパには親はいない。みなしごムーミンなのである。それなのに「親からうけついだ〜」というのは奇妙ではある。
ムーミンパパは想像力豊かなため、すこし思い込みが激しいロマンチストなところがある。つまりは、ここもそういった描写なのではないかな?と推理する。
すこし脱線しましたが、今の私に響いたのは、
反省のただしさ…という言葉です。
そして、なんとなくこのセリフはムーミンパパのセリフなんだけども、トーベ・ヤンソンさんの言葉のように私には思えました。
ムーミンシリーズが、なんとなくトーベさんの【反省のただしさ】によって出来上がっているように思えたのです。(ムーミンパパばりのロマンチストでしょうか…?汗)
反省をする、だけではなく、反省の【ただしさ】。
【反省のただしさ】を持てば、トーベさんのような仕事ができるのでしょうか?
答えは分かりませんが、やってみる価値はありそうです。
といっても、なかなか簡単に、さぁ!今日からやるぞ!と、やれることが出来ないのが、【反省のただしさ】なのでしょう。
でも、すこし頭の片隅においておきたい言葉でした。
