「冒険のはじまり」:
まぼろしの「もやし」求めて・・・  


解説・・・


実際はもやしは歩きませんので、飯塚商店では基本的には真夜中に洗ったばかりのもやしを、そのまま配送車に積み込んでその日のうちに市場に出すようにしています。



「きらわれるも~やん」:


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解説・・・2~30年前までは主流であったブラックマッペもやしですが、特徴として身が細く、根が長くなりますので、根きり処理を施した緑豆太もやしが全盛の現在においては、このようなご意見をしばしばいただきます。さらに現在ではもやしの豆や食べられる豆皮ですら完全に除去された形で売り場に並ぶのが当たり前になっています。私どものもやしに時々見られる黒い豆の殻が、ゴミではないかという悪い印象を持たれています。




「傷つくもんちゃん」:


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解説・・・ 
最近の中国製食品に対する偏見から、「緑豆(中国産)」と表記するだけで避けられてしまう状況です。しかし現実は緑豆もやしに関しては国内ではほぼ100%が中国の吉林省、陝西(せんせい)省で栽培された緑豆です。平成14年より総務省の括りでもやし生産業は「農業扱い」となり「野菜の種子の原産地は表示義務がなくなりました」。ですが私ども飯塚商店では、もやしは豆(種子)を萌えさせただけの野菜であり、また消費者が


「国産の豆であると誤解して購入する」


ことを避けるためにも、そして戦後よりこれまで日本のもやし屋のために貢献してきた中国の農家のためにも、あえて豆の原産国を表記しています。


「お父さんのもとへ」:
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「“ありのまま”のもやし」:
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「“ありのまま”を愛する人たち」:
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「“ありのまま”のちから」
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解説・・・ もやしが普通に育てばどうしても身は細く根が長くなります。ここでいう“ありのまま”とはそういう姿のもやしのことです。現在一般的に見られる身が太くて豆がなく根の短いもやしは各もやし屋さんの努力、もしくは機械メーカーさんの長年の研究の末に、その形になるようにエチレンや水の調整をして作り上げ、根取り処理をされた姿です。ただこうしたもやしが主流となっている中では、もやしが自身の成長力で育った形は、多くの方には見慣れなく映り、その異質さが避けられる原因となっています。本来なら植物の成長に沿った正しい形であるはずの“ありのままの姿”が選択肢にも入らず異質なものと捉われていることに、私は危機感を覚えます。食も人間と同じで一つの価値観だけで収まるものではありません。根の短い太いもやしも、ありのままの細いもやしも、


『食の多様化』


として認めることがこれからの私たち(食の生産者、消費者)にとって大切なことではないでしょうか。



「冒険ふたたび」:


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「その先の“光”を信じて・・・」:

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解説・・・裏話になりますが、このラスト2枚、もやしの兄妹が希望を信じて進む場面は、チャップリンの映画「モダンタイムズ」のラストシーンがモデルです。イメージを掴んでもらうため、イラストレーターのことなさんと一緒に「モダンタイムズ」を鑑賞しました。


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この第二部、冒険編ではあくまでも


「私の見解によるもやしの現状・実情」


を描きました。他のもやし屋さんが話を考えたら全く違う形になるでしょう。それで良いのだと思います。


 もやしの姿、味、生産者の多様な価値観をまずは提示し、その中から食べる人が自分の価値観に合ったもやしを選ぶことが正しいと思うからです。


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