一昨日・・・16日のことです。


 私はもやしの絵本 を50冊持って、イラストレーターのことな さんと共に熊谷市役所内の教育委員会へ赴きました。数週間前に熊谷在住のことなさんが教育委員会に申し出てから何かの審議があったのでしょう。「是非ともよろしく」との連絡を受けて、こうして二人で絵本を持ってやってきたのです。絵本50冊というのは、熊谷市内の全小・中学校の分です。


 教育委員会で私たちを出迎えてくれたのは、学校教育課の指導主事の方でした。その方は大変好意的に絵本の束を受け取り、


「ありがとうございます。ただこれは今すぐ学校へ配布というのではないのです。来月に校長会があります。その時に各学校の校長に手渡しで渡そうと思うのです」


と、おっしゃいました。感動した私は、


「ありがとうございます。今起こっている食の問題は、ほとんどが作り手と食べる人が離れすぎていることが原因だと思うのです。私はもやしを作るものとして、少しでも多くの子供達がもやしを知ってほしいという気持ちで絵本をつくりました。よろしくお願いします」


と、つい言ってしまいました。


 すると指導主事の方も、


「その飯塚さんの言葉も添えて校長にお渡しします」


とおっしゃってくれました。


 清々しい気持ちで熊谷市役所を後にして、ふと


「今こういう形でもやしを伝える活動をしているなんて、半年前には考えられなかったな・・・」


と思いました。


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 絵本を作ろうと思い立ったのが、今年の5月です。6月に第一部、8月に第2部を公開し、今年の9月にこの絵本のことが新聞に掲載 されたとき、「学習教材のよう」とか「食育に活用」といった紹介をされました。


 ただ実を言うと私もことなさんも作成している時はそんなことはまったく考えてなく、ただただ


「もやしとは何か。どうやってできるのか。どういう状況に置かれているのか」


を多くの人に伝えたいだけでした。まずその部分を知ってもらわないと、誰ももやしの本質を知らないうちに、ありのままのもやしが消えてしまう危機感があったからです。


 ところがです。最初に絵本についてお話があったのは、私どものもやしを買うお客様からではありませんでした・・・・・




まぼろしの「もやし」求めて・・・


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