令和5年9月29日(金) 総務政策常任委員会

(立憲民主党・かながわクラブ 松崎委員)

松崎委員

 少し関連でお聞きしたいと思います。

 この道路交通の関係ではすでに大勢の人が働いて、生計を立てていらっしゃる。本来、県というのはジャッジする側、或いは公正性を守ったり、公共の側にあるわけであり、おのずから慎重さも必要かと思います。課題提起によって、それ自体で衝撃を与えるということもわかっていると思いますが、唐突感は否めないところであり、その辺りはどうでしょうか。

連携調整担当課長

 今回の神奈川ライドシェアについては、5月の新型コロナウイルス感染症の5類移行以降、社会経済活動の活性化、インバウンドの回復等に伴って、タクシー需要が増加する一方で、タクシー運転手の急激な減少が進んでいるという県内の一部の地域において、実際にドライバー不足によってタクシーが不足しているという、利用者からの声も聞いているところです。こうした移動ニーズへの対応策を検討する必要があると承知していますが、一方で、もちろんタクシー業界の方だとか、いろいろ関係者の方々の実情というのは大変大事だと思っていますので、その辺の影響については、皆さんのニーズや実情を聞き取りながら、対応策の検討を進めていきたいと考えています。

松崎委員

 例えばダンピングとか不公正競争が起きた場合どうするのかとか、或いは悪質事業者が現れたり、或いはカスタマーハラスメントように既存の事業者、また利用者が泣きを見るような場合、または不利に働くような場合を考えているのかどうか。また、市場の混乱は否めないと思いますが、実際の現場で公正性を担保する戦略はあるのかどうか、伺います。

連携調整担当課長

 今の神奈川版ライドシェア(案)で想定している料金制度は、現行の自家用有償運送制度をベースにしており、今の制度上は、運転手の対価は原則実費の範囲内というところで、既存の事業者さんの影響もなるべく少ないところで、交通空白地前提ではあるが、そういった制度になっています。

 そうした中、委員ご指摘の通り、安全性については、海外等でも実際そういった話があるという中で、県としても、安全性を確保するために、ドライバーの方の研修や講習については、タクシー会社の連携を求めたりし、あとは、アプリを使って運転手の評価をするとか、そういったことを見える化することで、導入にあたってはその安全性などについて配慮して進めていきたいと考えています。

松崎委員

 例えばテストケース或いは試行みたいなことから始めることもあるかもしれませんが、ガラス張りのテストケースというものと、実際では大きな開きっていうのは、どのような政策進行でも必ずあるもので、仮に、参入したい事業者がいたとして、そうした事業者から、今後急かされて、でも実際に走ってみたら、物価高に拍車がかかったというのでも困るわけです。県民にやっぱり胸を張って示せる構想というものを、よく練っていただきたいなと思いますが、そういった覚悟はお持ちでしょうか。

連携調整担当課長

 安全性というところは確保しながら、一方で、現在交通空白地での自家用有償運送制度というのは、県内では実績はありませんが、令和元年に国が公表した集計によると、全国で440市町村に導入されているというデータもあります。こうした地域では、地元の運送事業者と協議を行った上で、関係者とも調整のもと運営されています。こうした先例を参考にしながら、より影響の少ない形で各地域の実情に応じた仕組みを検討していきたいと考えています。

松崎委員  まだ幅広に検討されていて、十分な回答を得ている感触がないので、これからしっかりと固めていっていただくことを要望します。


 

令和5年10月6日 総務政策常任委員会

立憲民主党・かながわクラブ 松崎 淳 委員

(松崎委員)

先日の神奈川版ライドシェア構想(案)自体が唐突な報告であった。今回の検討会では具体的な地域や課題が明示され、地元自治体や事業者が参画していることもあり、その産業が直面する課題解決につながることは一定の理解はする。ただ、ライドシェア構想をそれに直結させようとすることに少々疑問がある。そこには関連業界で働いている人もおり、県民の関心も高く、県民の生活に影響があると思う。新たに設置する神奈川版ライドシェア検討会議は、順次、他の地域に広げていくものなのか。現行法の枠内を前提として検討するのかそれとも、特区を活用して地域限定の新たな制度創設まで視野にいれていれたものなのかどうか。いかがか。

(地域政策課長)

まず順次広げていくかということについてですが、繰り返しになってしまいますが、今回まずは三浦市域で始めていきますが、他の地域でご意向があれば、広げる可能性はあるということで考えております。また、現行法の中で行うか、または特区を活用するかについても、まさにあらゆる選択肢の中で、特区の活用も可能性があるとことも認識しておりますので、そういったことも含めて検討すると考えております。

(松崎委員)

地域限定の新たな制度の創設についてはいかが。

(田邉自治振興部長)

三浦市域限定でその課題を共有して、対応策を検討していきます。また、課題については各地域によって、置かれている条件や状況によって、変わってきます。その地域ごとに、解決策の方向性も色々な方向があるかと思っております。

今回は、三浦市での課題を抽出して、このライドシェアを市町村のたたき台として検討していきたいと思っています。今後、各地域でいろんな事業者或いは地元の市町村から課題等の提起があれば、そこにふさわしい方策というものを検討していきたいと考えています。

(松崎委員)

先行会派からも質問があったが、先日の議論を踏まえた上で、検討の範囲や対象が曖昧であって懸念が残る。人の命がかかっている事柄なので、拙速に事を運ぶのではなくて、利用される方々の安全確保を始めとして、必要な検討はしっかり行うようにしていただきたいと思う。また、議論の経過、これも県民代表である議会にしっかりと報告するよう要望する。

(中谷政策局長)

初日の報告に加え、本日追加でライドシェア検討会議の設置の報告をさせていただきました。矢継ぎ早に報告したことで拙速との印象を与えていたら、大変申し訳ありません。初日に委員からスピード感を持ち、丁寧に慎重に進めるようご指摘を受けています。しっかりと地元自治体とタクシー業界の声を吸い上げるべく、タクシー不足の声が上がっている地域、今回は三浦市で、具体的な調整を始めさせていただきました。そうしたところ、三浦市とタクシー事業者が同じ課題認識を持って、この課題に早期に対処していく必要性を感じている。そうしたことから今回、速やかに議論の場を、検討会の設置させていただきました。ただ、あくまでも議論を進めるための場の設置であり、神奈川ライドシェアを唯一の答えとして拙速に進めるというわけではございません。

そこを改めて申し上げます。タクシー不足の解消法といたしましては、神奈川版ライドシェアで地元市町村だけでなく、地元のタクシー事業者と連携して解決させるということで、私どもとしては有効な手だてと考えております。しかしながら、その他にも手法があり、相乗りなどがある。それ以外にもタクシー不足に対応するには、規制緩和、個人タクシーのエリア拡大とか、ドライバーの上限年齢の引き上げ、事業所の車両数の引き下げがある。こういった規制緩和は、国が提案し、現在、パブリックコメントがなされています。こういったことについては本県から要望して、もし、そういう手だてが加えられたら、選択肢の一つとして活用させていただきたいと考えております。

あらゆる手だてを視野に、その地域の実情に応じて、最適な解決策を丁寧にかつ慎重に、スピード感を持ちながら、対処していきたい。また、議会の皆様には折に触れてお諮りしながら、丁寧に進めさせていただきたいと思っています。

(松崎委員)

前広かつ、地に足をつけた議論をしっかりとやっていただき、実際に県民生活にとって役に立つ、かつ安全が確保される、このことを肝に銘じて取り組んでいただきたいと申し上げ、要望します。