労働法のポッケ~弁護士松崎基憲のゆるっと解説

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働き方改革関連法のうち労働時間規制見直しの最後のテーマ、「高度プロフェッショナル」です。

 

高プロと略します。

 

高プロは、平成31年4月1日の今日から施行されるのに、施行6日前の平成31年3月25日に要件の詳細を定めた通達、指針が発表されるなど、ギリギリまで調整が難航しました。

毎月勤労統計の不正問題も影響していました。

 

たくさんもめただけあって、高プロの導入要件はかなり厳しく、すごく細いです。

ですが、下の動画では、高プロのメリット⇔デメリットというシンプルな構図で説明してみました。

 

 

高プロは、労働者に年収1075万円以上の賃金が期間中保障される状態になります。

その代わり、残業代はありませんし、労働時間の上限もありません。

長時間労働によって過労死の危険もあるといわれています。

 

危険な制度なので、導入のためにはたくさんの細かい条件をクリアする必要があります。

 

その条件のうち、今回は、休日について考えてみたいと思います。

 

 

高プロの休日規制

 

高プロが適用される対象労聾者は、労働基準法の週休制の保護がありません。

「一週間で少なくとも1日の休日を取らせなければいけない」という規制がないのです。

しかし、高プロ独自の休日規制があります。

それは、

年間104日の休日、かつ、4週間ごとに4日の休日を与えなければならない

という規制です。

 

高プロを導入した後であっても、年間104日の休日をとることができないことが確定した段階、または、4週間のうちに4日の休日を取っていなかった時点で、高プロは効力を失い、残業代を払うべき(高プロではない)労働者になります。

 

なので、高プロの労働者が休日をきちんと取得していることは、企業にとって、高プロ制度を持続させるために必須の条件です。

 

ですが、使用者は、高プロ労働者に対して、業務に従事する時間や配分を指示することができないことになっています。

したがって、「この日休め」とか「この日働け」と指示することができません。

なので厚労省の指針によれば、「休日の取得の手続の具体的内容」を事前に明らかにする必要がありますし、「労働者が、あらかじめ年間の休日の取得予定を決定し、使用者に通知する こと及び休日の取得の状況を使用者に明らかにすることが望ましい」とされています。

 

もっと言うと、高プロ労働者には、「休日労働」という概念すらありません。

 

高プロでない労働者ならば、休日に休日出勤をして、休日労働や時間外労働の割増賃金が支払われることがあります。

しかし、高プロ労働者は、労働をしてしまえば、その日は「休日」とは呼べなくなってしまいます。

高プロ労働者に取得させなければならない年間104日、かつ、4週通じて4日の休日は、本当に働かない日にしないといけないのです。

 

 

*********************

 

 

いかがでしょうか。

 

高プロは、休日だけ見てもわかりづらい(守りづらい)制度になっています。

 

もし、企業が、高プロを導入したつもりで年収1075万円以上の賃金を設定しても、そのあとで高プロの要件のどこかに違反があって高プロの効果が生じていなかったということになれば、もともと高い賃金にさらに割増賃金を加算して支払う必要があります。

訴訟で使用者が敗訴するときには、さらに多額の付加金の支払命令が出される可能性もあります。

 

なので、簡単に高プロに手を出すことはできないのです。

 

厚生労働省の資料です

高度プロフェッショナル制度について(簡単な資料です)

高度プロフェッショナルのわかりやすい解説(詳しい資料です)

通達 基発0325第1号(平成31年3月25日)

指針(平成31年3月25日)

 

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