息子を自転車の後ろに乗せて公園へ行った。外へ連れ出すのもひと仕事だ。一旦外へ出ればご機嫌に楽しむくせに、「お外へ行こう」と誘うと毎回「行かない!」「お着替えしない!」と頑なに抵抗するのはなぜだろうか。これまで3千回くらい問うた気がするが答えは教えてくれないので、ぐるぐる回るブランコもあるし、羊の石像にも乗れるんだよと公園の魅力を都度プレゼンする。お外でお菓子も食べちゃおう!なんて、最初は苦肉の策だったものも今やお決まりの愚策。そこまでしてでも連れ出したい。いっぱい動いて、少しでも多く食べてぐっすり寝てほしいのが真の「親心」ではなかろうか。
1時間弱かけて連れ出すことに成功すると、なんと息子から「◯◯公園いきたい!」とリクエストがあった。こんなことはめったにない。自転車で20分ほどかかる公園ではあるが、喜んで!秋空の下、自転車をこぐのは爽快だ。二人で童謡を代わる代わる口ずさめば、ペダルの重さも距離も何のその。しかし、その高揚感は、額に汗して目的地に到着したと途端、急降下する。自転車の後ろから届く「ここじゃない!」との大声。思わず「え?ママ、オロオロ」と戸惑いがそのまま口に出た。君は◯◯公園と確かに言ったのだよと説得するも、返ってくるのは「ここじゃない」「ちがう」。なす術なく見上げた空が清んでいて良かった。曇る気持ちを吸い上げてくれる。
仕方がないので、思い当たる公園の名前を順に挙げてみると、その中に答えがあった。「△△公園がいい!」今度は、「ママ、衝撃」と感情が口から先に出た。△△公園は自宅から徒歩3分ほどである。往復40分。引き返す際のペダルは膝が震えるほど重く、遠い。
ご所望の公園へたどり着いたときには、午前11時過ぎ。嫌な予感を拭えず、祈る気持ちで空を仰いだ私に容赦なく大声は飛んできた。「なんか食べる!帰る!」もう言葉は出なかった。絶望の上にも青空は平等にある。上を向いて歩けるから、やっぱり秋は良い。