昭和62年、高校1年生の夏休みは、熊本の祖父の家に帰省していました。
もう今は記憶にないのですが、この年の夏休みに教科担任からの宿題だったのかどうか、祖父母に戦争体験を聞く、というものがあったようです。

先に記した、祖父の戦争従軍記とともに、もう一つ、遺された祖父の記録があります。 

それも、次回からご紹介させていただくことにします。

孫の私が語る形式で始まり、最後は回想で終わっています。

私のためにと書き記すうちに、記憶が蘇り、これが土台となって、回想録としたことがわかります。

孫の私が必要だからと戦争体験をインタビューしたことは、本稿となった従軍記を書くきっかけやモチベーションの維持に繋がったのではないか、と思うのです。

また、奇しくも、祖父がこれを書いたのは、73歳になる年の72歳です。
昭和22年、帰還後に生まれた今の母と同じ年。そして、私には3人の子供がいて、一番下の娘は15歳です。

この頃の私は、16歳。当時の母は今の私より年下だったと思うけれど、あの頃の祖父が今、母と同じ年齢で、あの頃の私と、私の娘が同じ年であることは、より当時の祖父の気持ちに肉薄するような気がします。

本稿は次回。短いので、前編と後編で終わります。また、本編をあらすじ化したような内容ですが、本編にはなかった描写が散在します。

祖父の記録を16年前に手作りで製本しました。
もう少しお付き合い頂ければ幸いです。

つづく