PGAツアーは今週から新シーズンがスタートしますが、もう一度松山選手の2018-2019シーズンを振り返ってみました。
ツアー選手権終了時(カッコ内は前年度)
世界ランク:26位(20)
Fedexランク:9位(13)
賞金ランク:23位(39)
トップ10フィニッシュ:7回、8位T(41)
平均ストローク:12位(23)
ショット貢献度:3位(18)
ティショット貢献度:26位(80T)
アプローチ貢献度:5位(6)
パット貢献度:97位(80)
バーディー率:7位(21)
平均飛距離:303yd、31位(48)
FWキープ率:114位(95)
パーオン率:20位(30)
トータルドライブ:33位(40)
平均パット数:66位(35)
リカバリー率:12位(47)
平均バーディー数:7位
パー4平均スコア:23位
パー3平均スコア:3位
優勝はありませんでしたが、24試合中トップ10が7回(前年度は4回)、全英オープンで予選落ちするまで1年に渡って連続予通過25のツアー最長記録を打ち立てるなど、安定したゴルフが戻ってきました。
そのベースにあるのは世界最高峰レベルのショットが復調。ショット貢献度3位のフィニッシュはキャリアベストです!
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(写真:GDO)
>平均ストローク「69.841」は2年ぶりの60台でツアー12位。ショット貢献度はツアー3位でツアー参戦以後ベストシーズンになった。パーオン率20位は3勝を挙げた2016-17に次ぐ数字。スクランブリング率も12位と高水準にいる。(桂川洋一/GDO)
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(写真:GDO)
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シーズン最後の「プレーオフシリーズ」でビッグスコアを連発した事も、来期に向けての明るい兆しです。
第2戦の「BMW選手権」では63を2回マーク(2日目は大会ベスト)して3位フィニッシュ。6年連続最終戦進出というツアーでも松山選手とPリード選手しか達成していない偉業を打ち立てました。
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>松山英樹が9バーディ「63」を叩き出し、メダイナCCのツアー大会でのコースレコードを2ストローク更新。当地は名門クラブでメジャーを含むトップレベルのトーナメントが行われてきた。タイガー・ウッズらの記録を塗り替え「びっくりですね」と自ら驚いた。
さらにランク上位30人が集うエリートフィールドの最終戦「ツアー選手権」でも、初日66(フィールド2位)、3日目66(フィールド1位)を叩き出しました。
いつも自分に厳しい松山選手ですが、シーズン最後のインタビューでは少し手応えを感じている様に見えました。
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ないと思います。うまくいくところ、いかないところがハッキリしている。うまくいくところは安定している。特にアイアンショットは変わってきている。ドライバーとパッティングがもう少し良くなれば上で戦えると思います。
―シーズンの終盤2試合で好スコアが出た
"気づき"があって、随分長い間探していたものが見つかった。それをより高い精度でやれるかだと思う。
―昨季と今季を比べると感覚は違う?
全然違います。今年の方が良かったと思います。パットも入らない時もありましたが入る時もあった。自分のクセがこの2週間で分かった。(新シーズン予定している初戦は)1カ月後ですが、どれだけクセを治せるかだと思う。
―課題のパッティングは
今年は色んな人に見てもらった。それがいいのか悪いのかは別にして、言われた通りにやっていた最初は良かったが、やりすぎると良くない。自分のクセが分かっていなかった。
―来季に向けて
体はちょっと休めないといけないが、頭の中はやりたいことが沢山。先週と今週の2日間は良かった。そういうプレーが出来る事が分かった。そういうところに頭を置きながら体は休めていきたいなと思う。
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アンディ和田さんが松山選手の今シーズンについて分析しています。
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>前年2018年は左手親指付け根の怪我の影響で春に5週間の離脱期間などの影響がありましたが、2019年シーズンは賞金ランク、FEDEXランクとも前年度比アップとなっています。
参戦6年間でベストシーズンだった2017年と今年を比べてみました。予選通過率は両年とも9割以上と安定していましたが、今シーズンは3日目トップ10以内からのスタートが3試合(2017年は8試合)。追いかけるポジションがやや低かったために優勝争いに絡む試合が少なかったです。
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また今シーズンは3日目の平均スコアがツアー10位と向上。 メモリアルトーナメントでの「64」やプレーヤース選手権での「66」などムービングデイのジャンプアップがありました。最終日の追い上げはプレーオフ2戦目のBMW選手権での「63」で3位フィニッシュというのが記憶に新しいですが、シーズンを通しての最終日平均ストロークはツアー60番目の「70.00」とサンデーヒデキチャージは例年に比べ少なかった様です。
次にショット部門のデータで気になった点を挙げてみます。SGアプローチ・ザ・グリーン(グリーンを狙うショットの貢献度)は今年もツアー上位の5位。過去5年間も6位、5位、3位、9位、3位とトップ10入りしています。 またパー3の平均スコアがツアー3位というのも、アイアンの距離感と方向性が優れている証明ですね。
個人的に松山英樹の昨年のデータで一番気になっていたのはティショットでの左へのミスでスコアを落としたという部門でした。 昨年はツアー160位でしたが、今シーズンはなんと18位とこの部門で大きくジャンプアップしています。左ラフに行ってしまうデータも前年度126位から13位と減ってランクアップ。スウィング調整に加えてドライバーや3番ウッドのクラブ調整の試行錯誤が功を奏し左への致命的なミスが減り、ボギー以上のスコアになっていないのがわかります。
松山のパッティングデータを調べてみると3m以内のパッティングにはまだまだ伸びしろがあるようです。1年間を通じ10フィート(約3m)のパットを沈めた率は87.08%でツアー131位。3mから4.5mのパッティングは29.15%でツアー114位でした。
PGAツアーの来シーズン(2019-20シーズン)は9月12日からスタート。日本ファン待望の「zozoチャンピオンシップ」もありPGAツアーの注目度は更にアップされることでしょう。 日本のエース松山英樹は7年目のPGAツアーでどのような活躍をみせてくれるのか楽しみです。
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2018年は怪我でツアーを一時離脱した事もありましたが、2019年は一歩一歩復活への階段を着実に登り続けてきた年でした。試行錯誤の中から新しい光も見つかり、迎えるPGAツアー7年目のシーズン。更なる飛躍に期待が膨らみます。