米ツアーでは松山英樹がシーズン終盤になって、ようやく調子を上げてきました。シーズン中は一生懸命練習してもショットがスコアにつながらなかったり、パットが決まっても成績に納得できなかったりと、何をしたらいいのか明確な課題を見つけられずに迷っていたと思います。それが怒りや焦りとなり、気持ちの持ち方までも悪くなっていました。
それがここにきて消えて、スコアやショットの内容を受け入れるようになってきました。じっとガマン強くチャンスを待てるなど、ラウンドにも余裕が出てきたのがわかります。だから表情も柔らかくなっています。
今季は勝てずに不振と言われながらも、5年連続で世界のトップ30しか出場できないプレーオフ最終戦のツアー選手権の出場権を手にしたのですから流石です。米ツアーのトップ選手はパワーだけでなく、グリーン回り、パットの精度が高くなっており、そこで対等に戦うだけの実力が松山にはあります。長いプロ人生には、思い通りにいかない時もあります。ただ松山は来季に向けて、すでに明るい材料を手にしたのは間違いないといえます。
プロゴルファー羽川豊「プロの目」(日刊ゲンダイ9月11日より抜粋)