『☆詩季折々∞∞∝』 -3ページ目

詩『邪悪な回転木馬』

 

詩『邪悪な回転木馬』
 
父が去り
 
母が去り
 
どうあがいても
 
取り返しのつかないことが
 
増えていく・・・
 
 
 
悲しいことは
 
考えてしまうと
 
よけい悲しくなる
 
大きな渦に
 
飲み込まれたように
 
海の底へと
 
引きずり込まれそうになる
 
息もたえだえで
 
苦しくなり
 
もがく
 
もがく・・・
 
 
 
つらいことは
 
考えないようにしている
 
他のことを
 
考えようと努める
 
でも
 
いつの間にか
 
思考のスキを抜けて
 
邪悪な回転木馬のように
 
同じことばかりが
 
頭の中を
 
駆け回っていく・・・
 
 
 
油断も
 
スキも
 
あったものではない
 
ただつらいだけの
 
回転木馬・・・
 
ぐるぐると
 
回りつづけ
 
叫びのような
 
きしむ音だけが
 
聞こえてくる・・・
 
 
 
邪悪な回転木馬は
 
回転を上げ
 
まわりの景色も
 
白くぼんやりして
 
やがて
 
渦と化して
 
暗い世界へと
 
引きずり込んでいく
 
つらさの中
 
もうろうとして
 
闇へ
 
闇へと・・・
 
 
 
いずれ
 
私も去って
 
つらいと思ったり
 
悲しんだりすることも
 
なくなる・・・
 
 
すべては
 
回転木馬も何も
 
何もない所に
 
消えていくだけ。。。