今回の旅の目的の一つは、アフリカンのよく発達したお尻、目を見張るような姿勢や歩き方、屈み方をこの目で確かめることだった。
随分と前に 「アフリカでは、肩こりや腰痛に悩む人が極めて少ない」と聴いていた。
果たして本当の話しなのか、現地で確かめてみたかった。
アフリカの人々は、骨盤の前傾が強いのに背筋はピンと張っている。かなり腰椎が反っているので、腰椎滑り症や分離症の罹患リスクが高まりそうだが、そういう事にはならないそうだ。
結論から言うと、本当だった。
片っ端から身体の痛みや不調の有無を訊ねてみたが、腰痛を患っていたのは1人だけだった。
他の人たちは、どこも問題ないと自身満々に言う。
どんな時でも骨盤が立ち=立腰し、上体が垂直で骨盤の真上に頭部が載っている。
着座姿勢もお見事で、猫背の人は滅多にいない。
まさに骨で身体を支えているといった感じがする。
前傾するときも頭部と仙骨が一体となって連動して動く。これは首痛や腰痛を予防改善するために、非常に重要な能力であり、誰もが身につけるべき身体技法と言える。
学校で姿勢について習ったの? 親からうるさく言われたの?と尋ねても、みんなが誰にも習ったことが無いと答える。
実際に現地で人々の暮らしを観察していると、画像や文献からでは到底感じ取ることのできない大事なことに気づかされた。
日本人の骨格と生活様式に大きな隔たりがあるので、そっくりそのまま我々が真似できるような事ではないが、お手本として学ぶ価値は十分にある。
この経験を活かして、強い確信をもってアフリカンの姿勢のマネジメントと最適な動作フォームを多くの人々に推奨していきたいと考えている。