タクシーの拾い方に人柄が表れる。
自分よりも先にタクシーを待っている人を見つけたら、その人がタクシーを拾うまで手を挙げない。最低限のマナーだと思う。
でも、そんなことお構いなしで、先に待っている人よりも手前に立ち、平然とタクシーを拾う人がいる。
または、物陰に隠れるようにして、こっそりタクシーを拾う人もいる。
目前でタクシーを拾い、伏し目がちに目の前を通過していく人。
スマホに視線を落として、こちらの視線を躱す人。
ビジネスの世界では、そんな事ばかり。
人を押し退け、踏み越えていくような人間がよろしくやっている。
まぁいいさ、自分は自分。
気を取り直して、次のタクシーを待っていると、全然こないときもある。
やがて時間がなくなり、用事を諦めることになる。
そんなとき、向こう側の人間になった方が、生き方として楽なんだろうなと、一瞬思うこともある。
今の世の中、道理や筋を大切にしながら生きると、落胆することが多い。
けれども、自分の行いは良きにつけ悪しきにつけ、自分の中に記録される。それは後から改竄できない。
振り返って苦々しく思うのは嫌だから、自分らしくありたい。
損して徳する。
つまり、損することなどない。
そう信じて、今日も頑張る。