持っていけるもの | 伊藤和磨オフィシャルブログ Powered by Ameba

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 世界5大美術館の1つ、エルミタージュ美術館に行ってきた。この美術館が旅のメインイベントだった。残すはマドリードのプラド美術館のみ。
エルミタージュ美術館には300万点近い作品が保管されて、1つの作品を1分間観たとすると10年以上掛かると言われている。

 


 昨日は、エカテリーナ2世の夏の宮殿を訪れたが、ここエルミタージュは彼女の冬宮殿を美術館にしたもの。
全て観たわけではないが、よくもここまで贅沢を極められたものだと、感心を超えて呆れてくる。


  

 しかし、ピョートルやエカテリーナのような絶対的な君主がいなければ、芸術というものは発展しないのだから、そういう意味では個人の贅沢に止まらず、多方面に渡って多くの人々に多大な貢献をしている。

 
右の作品*さらに飾られた魚は本物で、どうやって数百年間も腐らずに保存できているのか、科学者達も分からないらしい。
 
 表向き、エカテリーナの最期はベッドの上で静かに息を引き取ったとされているが、実際には右下の中央にある隠し扉の奥にあった「黄金のトイレ」で亡くなった。ストーリーとして美しくないため、真実は公表されていないらしい。(現在はスタッフルームになっている)
 左下の玉座に座り、女帝として多くの者たちと謁見した彼女も、こんな小さな部屋の便座に着座したまま最期をむかえた。みっとも良い終わり方ではないが、そんなものだろう。

  

 
「立って半畳寝て一畳」といみじくも言ったもんだが、どれほどの権力と金を持ったとしても、人の最期に大差はないし、ちり紙一枚も持ってはいけない。持っていけるのは思い出だけ。
 
ふと、ガンジス川の畔で人が焼かれて灰になっていく風景を思い出した。金持ちと貧乏人の違いは蒔きの量だけで、灰になったら同じ。
 
車のシートでうつらうつら居眠りしながら、そんな意味のない事を考えていた。

 
ピョートル大帝の夏の宮殿「ペテルゴーフ宮殿と噴水」

 本日モスクワに戻り、明日スーズダリという郊外の田舎町に滞在する。