母が倒れてからの8年間、怒涛の日々であった。
どうやって乗り切ってきたのか……

自慢の母が95歳の時、認知症になり、私の目の前で崩壊していく日々。
自宅介護をし、最後は私の腕の中で亡くなった。
100歳と8ヶ月、人には大往生と言われた。
通夜、告別式と泣いている暇もない。仕事もある。

先延ばしをしていた足の手術を決行。
住み慣れた我が家に帰って来ても、母のいない家は空っぽ、廃墟同然だった。
膝を抱えてうずくまっていても何も始まらない。

77歳の時、初めてのお引越しを経験する。
大きな土地と家を売り、賃貸のマンションへ。
祖母と母と私の三代、思い出と称するゴミをエイヤッと投げ捨てる。
捨てて、捨てて、捨てないと前へ進めない。

土地の売買など始めると、あらゆる人が集ってくる。
人はお金の匂いに敏感だ。
人を見る目が全くない私は、悪いけどみんな詐欺師に見える。

にわか勉強を始め、私の考えうる最強のチームを作った。
税理士、不動産鑑定士、不動産屋、ファイナンシャル・プランナー。
全員プロの方々だ。
でも最終の決定は私がしなければならない。
孤軍奮闘、戦った。
母は常々「トモ子は度胸がない!」と言っていたが、何の何の。
やれば出来る子じゃない。(^^)

新居に入り、1年と3ヶ月くらい。
振り返ってみると、この8年は本当に大変だった。
8年が経ったことが信じられない。
アッという間であった。

さて一体、これから何があるのだろうか……

人間は死ぬ時、何も持っていけない。
そのことは、母の時に充分知った。

これからの人生、楽しい思い出をいっぱい増やしたい!
身軽になった私には、どんな出逢いがあるのでしょう。