暗闇で動く人影 | 18歳の新聞奨学生奮闘記✏️

18歳の新聞奨学生奮闘記✏️

18歳で専門学校と新聞配達のために上京した志衣(shii)。新聞奨学生の先輩とのルームシェアや職場の事件、ほっこりする街の人々との関わりなど。当時書いていた1年間の日記️

20XX年5月20日 19:50


■土曜配達



先輩がお休みなので1人で出勤。


真っ暗な店の中で

チラシを入れている人影が…。



「デンキ、ドコカワカル?」

王さんか。


2人でスイッチを探し回り、

ようやく電気がついた。


しばらくしても新聞も専業さんも来ない。



新聞輸送社が2台同時に来た。

ふたりで運び入れはキツい。


すごい重いんだよ。

しかも新聞もいろんな種類があるし。

その開封もしたら最悪に遅くなった。


みんなが出発した頃まだ組んでたし。



「はよーっす!

    新聞どこに置けばいいですか?」


元気に日経くんが入ってきた。


「ご苦労様です!どこでも大丈夫です!」

「じゃあここに置いておきます!あーした!」


挨拶とすみません以外を初めて交わした。


日経くん変わったなあ。

前はペコペコしていたのに。

この仕事は強くなると実感。


ってもう日経くん配り始めてるし!

急がなくては!



今日の雲はおかしい。

すごいスピードで流れている。

降ったり止んだりになりそうだな。

ビニールを持っていき出発。



最後のマンションに行ったら

おじさんがドアの前に立っていた。


「6時になったのに扉開かないんだよ。

    壊れてるかもしれない。」


嘘~。


戻って専業さんに言うと

入れておいてくれるみたい。

ありがとうございます。

なんとか土曜日配達が完了。