ちゃんと1月が来て、ちゃんと1月が終わって行く。
何度も経験したこと、何も思わなくなる、不感症、そんな毎日が続く。

「寒い日はあたたかくして眠りなよ、風邪ひきやすいんだから」
あの日、恥ずかしくて言えなかった言葉も、いつの間にかあいさつより軽くなっていて。
言霊はある、言わないより言ったほうが良い、でも言わない方がロマンチックではあるが、伝えたほうが優しい夢が見れそうな気がする、そんなことばかり考えていて、これはもう迷子、及び、まさに不感症。

胸が破裂しそうなくらいときめくこともなくなった。
上戸彩さんに全力の情熱を捧げた僕は過去になった。
人を傷つけることよりも、自分が傷つくほうが楽に思えるようになった。
傷は治る、跡が残ったとしても。
痛みは忘れる、出産の痛みも忘れていくと聞く。
人はある程度は上手く出来てるらしい、つまんねーな、バカ。

未完成なものが僕は好きだ。
音楽も絵も写真も、未完成なものに美しさを感じる。
それはきっと僕が未完成だからだろう、僕の世界は角と棘ばかりが内に内に攻めてくる狭い空間。
いつかは忍者屋敷みたいにしたい。
招待した人達の唸るような声が聞きたい。
そろそろ改築をしなければいけないな、時間がない、もうすぐ僕の良い時期は終わる。
間違いなく、終わる。

米津玄師の音楽を聞いたとき、もう僕に作れるものはなにもないって思った。
凄くショックで、天才ってほんとにいるんだなって思った。
僕のまわりで天才って言われてる奴の顔が全て消えた。
そして僕の顔も消えた。
ここから僕にできること、感性を磨くことより大切なこと、それを探してる。

歌を歌うってこと。
上手い下手を飛び越えて、きっとそれはもう生き様とか経験とかそんなことなんじゃないかなと最近は思う。
ピッチ感は確かに大事、でもそういうことより僕は声量のほうが大事だと思う。
デカイ声で伝えること、マイクがなければ伝わらないことは、マイクがあっても伝わらない。
聞いてくれる人が目を伏せたとき、そこにどんな景色が広がって、そこに誰がいるのか、いないのか。
欲しいもの、欲しかったもの、いらなくなったもの、足りなかったもの、足りなくなったもの。
弾き語りワンマンをやる理由はここだ。
僕は早急にそれを見つけなければならないのだ。

若くはない、もう若くはない。
勢いも消え、僕はもうあの日のように空を飛べない。
悲しい気もするが、そうなることによって考えることも変わっていく。
表面的な表現の味気なさ、刺すだけの空虚な時間、深みを増すには何が必要なのか。
考えよう。
想像できることは全て実現可能だと聞く。
考えよう、思い描こう、想像しよう、そして、それを形にしよう。
誰かの為に、それが僕の為に。

0から1への旅。
出来ないならその時間を俺にくれよ。
今の俺なら出来る。