あのね、この作品を10数年前に観させていただいて無かったら、
鴻上尚史という天才に出会わなかったら、
僕は、舞台を知らないまま生きたのだろうと思う。
勿論、そうなればミュージカルもやっていなかっただろうし、
もっと言えば、今やっているDDBもやってなかっただろうし、
沢山の同志達、素晴らしい表現者達とも出会えぬままだったと思う。
自分の声も、もしかしたら、薄っぺらなまま歌い続けてたかもしれない。
いや、とっくに歌うことも止めていたかもしれない。
そこには、そこの違う人生のレールがあっただろうけれど、
今となっては、それがどんな人生だったか、想像すらつかない。
想像したら、怖いし、想像したくない。
本当にこの作品と、鴻上さんに出会えてよかったと
はっきりと言える。
今回、自分的には、
3 度目となる『天使は瞳を閉じて』が、
ある意味、僕の舞台の原点であり、本当の自分の声を探すきっかけだったなぁと、
客席から、馴染みのある面々の迫真の演技を見つめながら、
しみじみ思った次第です。
そして、
みんな本当に頑張ってたな。生きてた。
這いつくばって、何クソって、立ち上がって、
またその舞台に胸はって立ってた。
汗だくで、声からして、髪も乱れてたけど、
その佇まい美しく、今にも崩れそうな儚さが、
鴻上作品のキラキラした残酷と相まって、
心から汗が滲む感覚に陥る。
その感覚は、勿論、
我が運命的代表作品、音楽劇 「リンダリンダ」 に通じている。
そして、勿論の論、我がDDB にもつながっている。
だからね、あらやん を連れてった。
鴻上さんに紹介したくてね。
そして、この作品を観て衝撃を受けてもらいたくて。
あの日の俺のようにね。
観劇後、あらやん の瞳が らんらんと輝いていたのを、俺は見逃さなかった。(笑)
さぁ、大阪公演 DDB がさらに楽しみになってきた。
大阪は大阪で、やらかすぜ!
その時にしかできない公演を、4回全力でやるよ!