以前のブログに書いたような気がするが、僕は定期的に何もかもから逃げだしたくなる。

少なくともその衝動は小学生の頃からあった。

初めて逃げたのは、中学一年生の頃だろうか。

イジメとか体罰があったと言うわけではなく、学校に行くのが兎に角嫌になった。

家を出たふりをして、自分の部屋に隠れていたりした。

当然親にバレて、こっぴどく怒られて仕方なく学校に行くようになった。
一旦行くようになるとあんなに嫌だった学校も苦じゃなくなり、その後ほとんど学校は休まず中学は卒業する。

不思議と高校時代は逃げる事もなく、普通に通り過ぎるのだが、社会人になって、2年目に僕は再び逃げた。

何かと理由を付けて会社を休むようになった。

心配した上司からの提案で異動する事になった。そこでボチボチだが仕事が出来るようになり、会社生活はある程度安定していく。

そして、入社12年目また僕は逃げた。
誰にも言わず、行方をくらました。自分史上最大の逃走劇だった。
色んな人に迷惑をかけ、今はまたボチボチと仕事をしている。

三浦建太郎さんの『ベルセルク (16)』を読んだ。

閉ざされた山村で父親達の暴力に怯える少女 ジルは主人公 ガッツに「どこか遠くに私を連れてって」と懇願する。
ガッツは「逃げ出した先に 楽園はありゃしねえのさ」と優しく答える。

確かに逃げた先に楽園はありはしなかった。
でも、逃げたからこそ見えたものがある。
逃げた先にあった景色は忘れてはいけない。