僕は記憶力が良い方だと思う。

昔見たアニメやテレビ、どうでもいいことは克明に覚えている。

番組名はもちろん、時間、キャラクターの設定、セリフ等も覚えている。

でも、その記憶力の良さを生活に活かすことが出来ないのが、我がぽんこつクオリティ。

以前にも書いた通り、勉学の世界からは早々にリタイア宣言を出し、仕事においても覚えないといけないことほどよく忘れる。

覚えたはずなのに、直に忘れてします。

そして、気がつく。俺興味が無いんだ。と


岡本貴也さんの『世界が記憶であふれる前に』を読んだ。見たこと全てを記憶し、忘れる事が出来ない主人公ナノと真っ直ぐな青年との恋物語。

忘れないというのはうらやましい限りだ。

小学生の時、初めて読んだ『エルマーの冒険』のワクワクする感じ。

中学生の時、『深夜特急』を読んだ時の知らない世界が広がる感じ。 

小学生の時、初めて食べた鰻のあまりの美味しさに感動したあの日。

中学生の時、学校帰りにみんなで買い食いした唐揚げの美味しさ。

小学生の時、隣の席の子の笑顔。

中学生の時、同じ委員会になった子の顔。

いや、忘れるからこそ、思い出はキレイに輝くのかな。