久しぶりの新国立劇場 小劇場。

演劇「人を思う力」シリーズ其の弍『東京ゴッドファーザーズ』。 

緊急事態宣言のため約1週間遅れて奇跡的に開幕したこの作品を、
奇跡的に鑑賞することが出来ました。


今敏監督が2003年に発表した長編アニメ作品の舞台化です。

3人のホームレスと捨て子をめぐり起きた奇跡の物語ですが、
ストーリーはそのままに時代設定だけ「今」に変えてあって、
登場人物はこのコロナ禍の東京を駆け巡ります。

だからか、
エピソードひとつひとつがあり得ないほど身近に感じられて、
笑ったり目が潤んだり目まぐるしく心が揺さぶられる2時間でした。

この状況下で舞台を見られている興奮も重なったかしら、
効果的に使われる「第九」と歓喜の歌がガンガン脳に響いたなー。

演出は松尾芸能賞優秀賞を受賞された藤田俊太郎さん。
シンプルな舞台に東京の様々な景色が見えてくるから、すごい。
松岡昌宏さん、舞台映えするなぁ。
マキタスポーツさん、初舞台とは思えないさすがの器用さ。
それから、夏子さんってなんて魅力的な女優さんでしょう。
他の役者さんたちも、
複数のの役を演じ分けながらそれぞれに存在感を発揮していて、
藤田さんが、
「最後まで上演出来ることを祈りながら、毎公演を大事に上演しております」
と仰っていましたが、
その気持ちが台詞や動きからも感じられました。

良いな、舞台。

独身時代の劇場通いしていた頃や、
学生時代の演劇サークルで劇場にこもった日々を、
懐かしく熱く思い出してしまいます。

早く、安心して満席の劇場を楽しめる時が戻りますように・・・