☆漢方薬の選択ポイント　ジュクジュク・アトピーの場合

こんにちは、松本比菜（まつもとひさ）です。

今日は久しぶりに、漢方薬名の入った記事を書きます。

「アメンバー限定記事」にしようかと思いましたが、ちょっとマイルドにして普通に公開します。

ジュクジュク・アトピーの治し方の、注意点についてです。

●真っ赤に腫れている

●痒みと痛みで眠れない

●ジュクジュクと汁が止まらない

こんなとき、漢方薬は何を使うか。

アトピーは「湿熱」を代表として、「熱」性の病気です。

熱＝炎症をどう治すか。

その手法をまとめた学問が「温病学（うんびょうがく）」。

中医学の一分野です。

日本では「温病学」はまだまだ馴染みが薄いため、こちらに出てくる漢方薬を選ばれる先生も、まだ少ないようです。

まつもとのところに、「漢方薬が全然効きません！」とお越しになる方がいらっしゃいます。

どんなものを使ってらしたか拝見すると、「うーん、確かに」と感じる内容だったりします。

こんなときのパターンには２つあり、次のように分けられます。

１、その方のアトピーによる炎症の強さから言って、手ぬるい

２、赤い・腫れ・ジュクジュクという急性症状に、「補う」ものを選択している

１は、単純に「量」の問題です。

今まで半年くらい足踏み状態だった、というご相談者さま。

心理的にもかなり追い詰められた状態でお越しでした。

充分な量の漢方薬を、がんばってお使いいただいましたら、1ヶ月です～っと痒みが引き、赤みが随分うすくなりました。

その方の病気と戦える「量」が、あるんですね。

やっかいなのは、２のパターン。

アトピーの漢方治療は、

★急性期＝デトックス（病気の原因を追い出すこと優先）

★慢性期＝補う（丈夫な皮膚を作る）

の二段階に分けて行います。

急性期なのに、早々と「補う」漢方薬を使ってしまうと、病気が身体から出ていきません。

先に挙げたご相談者さまも、ちょっと早めに補う処方に切り替えられ、赤みがまた強くなり、デトックス優先に戻すと赤みが引くが、また補って赤くなり……と数ヶ月来られてました。

「量」だけでなく、「段階の見極め」も重要です。

日本は長らく、「粗食＆寒い」生活でした。

ですから、病気になったとき、

・栄養を補って

・温める

ことが最大の治療法だった歴史が長かったのです。

ですが、現代の日本はどうですか？

お肉も食べるし、衣・住も激変。

更に気候まで温暖化が進む勢いです。

こんな中で、寒さによる病気が減り、炎症＝「熱」の病気が増えないワケがない。

治療法も、新しい考えを取り入れていくのが、理屈に合っているのではないでしょうか。

アトピー性皮膚炎に対して、日本でよく使われているらしい処方には、次のようなものがあります。

・十味敗毒湯

・温清飲

・柴胡清肝湯

・黄蓍建中湯

・滋陰降火湯

・麦門冬湯

これらは、場合によってまつもとも使うものはありますが、急性期には使いません。

使わない理由は処方によって異なりますが、どれも赤み・腫れ・痒み・ジュクジュクを悪化させる可能性があります。

使うにしても、段階を見極めて、残った病気を鎮めるお手当と併用することが必要です。

「漢方薬を飲んでいるけど、なかなか改善して来ないなぁ……」

そんなときは、現在の症状と、選択された漢方薬が、フィットしているかどうか。

見直してみるのも、必要ですよ！

実際にありがちな、とくにキケンな漢方薬を使っていないか、こちらで確認してみてくださいね。

すっごい昔に書いた記事ですが、状況は全く変わってませんので……

アトピーを治すための、正しい食べ方（食養生）は、こちらで学べます。

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漢方薬の選択ポイント ジュクジュク・アトピーの場合

漢方薬の選択ポイント　ジュクジュク・アトピーの場合