松稔の芸能裏話(62) 東京の事務所に入って初めてのCM
意気揚々と東京に出てきたのに、唯一のレギュラーだったお笑いスター誕生が
泣き顔突然打ち切りになった。仕方なく営業で食いつないでいたが、それも
減りだした。
一月の後半は殆ど仕事がなかった。知っている限りの営業先に電話をして、仕事をお願いした。
するとタイトプランニングと云う会社から予餞会の仕事が入った。
予餞会と云うのは高校の卒業生を送るイベントだった。
この仕事は2月後半から3月後半にかけて毎日のようにあった。
ギャラは1回3万円程度だったが、毎日あるので助かった。
それに相手が高校生で何を言っても笑ってくれる。
営業ばっかりやっていると、自分らのやりたいネタが出来なかった。
ストレスが溜まっていた分、思い切り発散できて又やる気が出てきた。
持ち時間は30分だった。最初30分も持つのか心配だったが、箸が転んでも
可笑しい年頃ライブでやっているより受けた。
出て行くだけで大歓声で迎えてくれる。
大スターになったように錯覚してしまう。
自信がなくなった時には調度いい仕事だった。
予餞会が終ってから又、仕事がなくなった。
事務所にどんな仕事でもいいからと頼みに行った。
すると降って湧いたかのTVようなCMの仕事が入った。
今までCMの仕事はしたことが無かった。
カエルのマスコットで有名なコルゲンコーワのCMだった。
フケ取りシャンプー『ミカロン』この商品のCMに抜擢されたのだ。
前回は同じ事務所の栗田貫一さんがCMをしていたので、その流れで廻ってきた。
CM当日、雨が降る寒い日だった。
内容はオカマの美容室にお客さんがいる、そのお客さんの頭をシャンプーして
もフケがとれない。と言う設定。
オカマの店長:竹・オカマの助手:松・お客様:梅、ではそのCMの再現。
松:先生、シャンプー出来ました。(オカマチックにしゃべる)
竹:本当にシャンプーした?( 〃 )
松:はい
竹:(梅の肩のフケを払いながら)シャンプーした?
梅:(不安な顔)
松:はい
竹:シャンプーした?
松:(松・竹同時に梅の肩のフケ払いながら)はい
梅:(恥ずかしそうな顔)
小島一慶のナレーション:シャンプーしてもフケが出る。
こうなったらもうミカロン
こんな簡単なCMなのに朝の8時から夜の10時までかかった。
監督の『ハイ本番』と言う掛け声に僕等は演じる。『惜しい1秒オーバー』
『テイク2本番』演じる『2秒足らない』『テイク37本番』演じる『表情が
暗くなった』さすがに何回かやっていると笑顔が出来なくなってきたり、
寒さのせいで舌がまわらなかったりしてくる。
7種類10秒バージョン、15秒バージョン、20秒バージョンをと何百回撮っただろう。
CMのギャラが良いのがなんとなく判ったような気がした。
このCMがテレビで流れるやいなや・・・つづく
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