いま、オペラ『ハムレット』劇中の〈オフィーリアの狂乱〉の場面で歌われる曲を勉強してます😶
とてつもなく大変な曲ですが、盛り沢山な曲で聴けば聴くほど好きに。
特に民謡を引用したバラードが物悲しくて素敵✨
ありとあらゆる物を読んで、今の私が一番しっくりきたオフィーリア像です。
〈基本情報と関係者〉
舞台は中世デンマークの宮廷🇩🇰
恋人は王子ハムレット🤴🏼💗
大学生です。
彼の年齢が16〜17歳(俳優が演じやすいように30歳に書き換えられたそう)
兄のレアティーズは19〜21歳くらいかな?
そしてフランス留学します🇫🇷妹を溺愛
父は大臣ポローニアス。
兄レアティーズには多くの経験から判断能力を養うよう留学させる一方、
妹オフィーリアには父や兄の言うことに従順であるよう求めます。
〈オフィーリア〉
15〜16歳の少女👧🏻なんて若い!
(ハムレットの年齢からオフィーリアの年齢を予想してます。14でもしっくりくるけどあまりにも若いので笑)
大臣の家なので今で言うエリート一家。
彼女も当時では珍しく字が読める頭の良い子で、狂乱してても花言葉を使った嫌味をいいます笑
名前Opheliaの頭文字Oは、数字の0という意味もあり彼女の意思を父や兄に書き換えられる暗示だそう。
それを証拠に、父と兄にとにかく従順!
そういう風に教育されてきたので何の疑問も持たずただただ従います。彼女が発する言葉は短くて実直!心の鍵も錠をしてお兄ちゃんに預けます🗝
〈オフィーリアの悲しみの正体〉
恋人に捨てられ、その恋人に父を殺され狂乱。
事実を並べればたしかにそうですが、きっと一番の悲しみの正体は別のところに。
ふしだらな母を憎むハムレットはオフィーリアがどんな自分も受け入れて、優しく包み込んでくれる聖母のような存在であって欲しいと願っています。
しかし彼女は父や兄の言いなりで彼の信頼を裏切り、傷つけてしまった。そんな自分にがっかりしています。
そして見えてきた、信じ続けてきた父の罪深き現王の側近という正体。
今までの自分との葛藤と自己嫌悪に陥っているのでは。
※オペラでは父は死なず恋愛にフォーカスされてます。
〈アイデンティティ崩壊〉
今まで誰かの言う通りに従ってきたオフィーリア。でも父は殺され、兄はフランス、急にひとりぼっちで我を忘れます。そして自分が正しいと信じてきた従順さが原因でハムレットに失望され絶望します。
どうすれば償えるのか、人生で初めて自分の意思で行動を起こします!
純潔を守ったまま死ぬことでハムレットの望む永遠の恋人になれる。死ぬことで自分の幸せを一切放棄して無償の愛を証明する。
婚礼の花冠に白いドレス。死装束でありウェディングドレスです。自ら死を選ぶことは宗教上の罪であり、埋葬してもらえません。自分は結婚式も葬儀もあげてもらえないので、死ぬ前に一人であげているのです。自分でバラードを歌いながら。
やばい、泣けてきた、、、
自己犠牲をいとわない彼女を疑って、死後それに気がついたハムレットもまた辛かったよなぁ。
お互いに不器用で、互いの愛に気付けなかったための悲劇。
彼女から無償の愛をもらって、人を殺しても何も感じなかったハムレットも人の心を取り戻し始めます。
彼女はハムレットに取り憑いた良くない物と戦って、勝ったのね。せめてそう思いたい!
最後まで読んでくださりありがとうございました!笑