今日は私の好きなドラマの話です。







皆さん、堤幸彦監督の【TRICK】はご存知ですか?

貧乳マジシャン山田奈緒子(仲間由紀恵)と、へっぽこ物理学者の上田次郎(阿部寛)が、怪しげな霊能力者のインチキを次々に暴いていくというストーリーのドラマです。


【TRICK】が始まった時、私は3歳。
その頃から見ていたのかは記憶にないですが、小さい頃から大好きなドラマでした。







「千里眼で透視することができる」
「死者を蘇らせることができる」
「離れたところからパントマイムで人を殺せる」
「祈りで天罰を下して人を殺せる」
「言葉で人を操れる」
「物を瞬間移動させられる」


そういう怪しげな霊能力者たちのトリックを、奈緒子と上田はどんどん暴いていきます。
インチキを暴かれた霊能力者は時に逮捕され、時に自決します。









【TRICK】シリーズの中でも特に重要な、シリーズ第1作目のエピソード1【母之泉編】。



母之泉の教祖、ビッグマザーこと霧島澄子は、ある日人の心がわかるようになりました。
しかし、後に教団の幹部になる男・津村が澄子に声をかけ母之泉を立ち上げてからは、津村に利用され、殺人の片棒を担がされるようになります。




奈緒子は、母之泉という団体のインチキを暴き、澄子は毒を飲んで自決してしまいます。

澄子は死の間際、知るはずもない奈緒子の過去を読み取り、「あなたのお父さんを殺した本物の霊能力者に、あなたも殺される」と言い残します。



澄子の死を悲しみ、泣きながら祈る信者たち。

上田が「目を覚ましてください!」と訴えても、誰もやめません。




翌日、津村が連行される間際に、泣き崩れる信者たちを見ながら奈緒子と上田に言う台詞がとても印象的です。




「正しいことしたつもりか?見ろ、なにも変わっちゃいない。ビッグマザーを失ったあいつらに何が残る。希望も救いもない人生が待ってるだけだ。」

「本当にあいつらを救おうとしたのはどっちだ?おめぇたちか?俺たちか?」




幹部の男の捨て台詞と、澄子を死に追いやってしまったことが奈緒子に重くのしかかります。











このドラマでは、奈緒子が怪しい宗教団体の教祖や占い師のインチキを暴いて信徒が絶望する姿と、それを見て暗い顔する奈緒子が度々描かれています。





いくら頭のおかしい事言って金を巻き上げる集団とはいえ、心の支えとなっていた教団を奪うことが本当にその人たちのためになるのか。

インチキだとわかってもなお、何かにすがらないと生きていけないのか。








Twitterで誰かが、「宗教を信じることはサンタクロースを信じることと同じだと思う。わざわざ、小さな子供からサンタを取り上げなくてもいいじゃないか」というようなことを呟いてて、いい例えだなと思いました。



そうなんですよねぇ…。

宗教を信仰している人って、純粋な人が多いのだと思います。

純粋すぎて歪んでる部分も多々あるものの、それでも本人は本気で救われると思っている。思いたいのかな?

そんな人に「現実を見ろ。目を覚ませ!」なんて言ったところで、何の意味もない気がします。


とはいえ放置してても、宗教勧誘される側からしたら迷惑だし、ましてや地下鉄サリン事件みたいなこと起こされても困るんだけど…。

難しい…。









また、このドラマは主題歌が有名にもなったそうで。

鬼束ちひろの【月光】です。


ドラマにもぴったりで小さい頃から好きな曲でしたが、大人になって改めて曲を聴くと、また違って聴こえます。


この曲聞いて感情移入する宗教二世信者、結構いるんじゃないでしょうか?

悩める二世にかなりドンピシャな歌詞だと思います。


歌詞と動画です↓







【TRICK】面白いのでオススメです!

第1作目、2作目最終章、3作目の最終章、劇場版【TRICK   ラストステージ】だけでも観る価値あると思います。