今回は、地方議会本会議の実情について、お話をさせていただきます。

 

少し前に、興味深いニュースを目にしました。

 

 

地方議会が思いっきりやり玉にあげられてるやつです。

 

地方議会の本会議にこっそり密着した結果、失神している大御所や、ネットで孫の誕生日プレゼントを探す家族愛に溢れたおじいちゃんなどが登場し、その姿にみんなで激怒りするというお話が展開され、「頑張っている議員もたくさんいて、このような議員は一部であると思いたいですが、複数の議会で散見されたということで、残念な実態が見えてきました」というキャスターの総括でコーナーは結ばれています。

 

たしかに、登場人物たちの行動はあまり褒められたものではありませんが、「サボってけしからん!」という短絡的な分析に留めるのではなく、このような実態については、もう少し掘り下げて考えてみる価値があるように思います。

 

 

大分市議会でも、現在、令和2年第4回定例会が開会中ですが、誤解を恐れずに申し上げると、本会議ってとんでもなく眠くなります。

 

恐らくですが、本会議中に眠気を感じない議員はほとんどいないんじゃないでしょうか。

 

その理由は、本会議の場では、個人や会派による質問の時間が大半だからです。

 

もう一点付け加えると、多くの方が想像するであろう、それぞれの議員がそこで繰り広げられる議論に対し積極的に発言をすることができる性格の会議については、委員会での審議がそれに当たるのではないかと思います。

 

本会議では眠気を催す僕も、委員会では眠くなったことがありません。

 

 

ということで、本会議というものについて、少し掘り下げていきます。

 

大分市議会であれば、会期の決定や議案採決を除いては、本会議のそのほとんどは一般質問の時間です。

 

一般質問の時間は、毎定例会3日間ずつ設けられていて、僕たち議員は、その期間中、ずっと自席で質疑を聞いています。

 

根本的に、一般質問の時間というのは議員個人と執行部とのやりとりの場なのです。

 

外野なので、自分の一般質問の時間以外は、ひたすらに人の話を聞き続ける。

 

これ、かなりしんどいです。

 

一般質問は、市政全般に渡って思い思いの質問をすることができますので、市政運営の方針や総合計画についてといった大局的なもの、社会的課題への対応などの時代の流れに即したもの、個別の事案に関する超ローカルなものといった具合に、話題も様々です。

 

それぞれの話題を、それぞれの議員が、それぞれの考えで述べていくわけで、そのこと自体は民主主義にとって大切なことですが、正直に申し上げて、僕らも人間なので全ての話題に興味を持てるわけではありません。

 

もちろん、どんな話題でも興味を持てる聖人や、興味のない話題でも長時間聞き続けることができる超人もいるかもしれません。

 

聖人でも超人でもない僕の場合だと、議論を聞いていて「おっ!」と感じた時には耳をダンボにして、自分の政策研究の参考にさせてもらったり、一市民としての教養を得たりするパターンが多く、そうじゃない時は、睡魔に襲われます。

 

ちなみに、ダンボさんの典型的なパターンとして、子ども医療費助成の問題について記事を書かせていただいておりますので、こちらもご一読を。

 

 

 

 

 

ここからが大切なことですが、睡魔に襲われた時、いくつかの選択肢があります。

 

①根性で睡魔と戦う

 

②睡魔に屈する

 

③内職をする

 

④帰る

 

とりあえず、④の帰るは、みんなが帰っちゃうと会議規則で定められた会議を成立させるために必要な出席議員の数を満たすことができなくなるので、基本的にナシです。

 

僕がいつも選択するのは③です。

 

自席で、自分の質問に向けて原稿の文言修正をしたり、今後の議論のために参考文献を読み込んだりします。

 

大分市議会では、パソコンやタブレットの持ち込みが原則禁止されていますので、いつも紙の資料を持ち込んでいるのですが、議会改革の一環としてペーパーレスのためにタブレットを導入する議論が行われていますので、一刻も早く導入が決定され、本会議場でタブレットを駆使して原稿の修正や調べものができるようになることを望みます。

 

話は逸れましたが、僕の睡魔対処法に関しては、「サボってけしからん!」という感情を抱く方はあまりいないんじゃないかなと思います。

 

だけど、僕の目から見た時、①の根性者も、②の正直者も、③の僕も同じ穴のむじなです。

 

本会議での質疑に集中しているとは言えない同類だからです。

 

睡魔に襲われている時点で、世間が思い描く「議員なら本会議でいつも集中してないといけない」という理想像ではありません。

 

僕については、③の時が多いけど、①の時も②の時もあります。

 

①では、意識朦朧であっても市民の負託に応えなくては!という心意気が感じられるし、②では、オンとオフの切り替えによっては興味がある質疑の時に集中力を発揮できるかもしれないし、③では、実務的な成果を生むかもしれません。

 

 

以上のことを踏まえて、僕が伝えたいことは、議会がどんな仕組みなのかということをより広くみなさんに知っていただいた上で、居眠りしたとかしないとかっていうような表面上のことではなく、それぞれの議員が日々どんな仕事をしているかということで評価をしていくべきじゃないかなぁということです。

 

僕は、自分がかなりいい仕事をしていると自負していますが、この点について歯がゆさを感じています。

 

本会議で渾身の質問をしても、全然報道されませんし、一生懸命ブログを書いても、アクセス数は知れています。

 

より積極的に政策などを発信するために街頭演説をしてみても、足を止めてくれる人はほとんどいませんし、「うるさい!」と怒鳴られることもあります。

 

じゃあ、僕はどうしたらいいのか教えて欲しい!という気持ちになります。

 

需要がないのだと言われればそれまでなのかもしれませんが、地方自治に関することは社会にとって極めて重要な事項であり、みんなで考えていかなければならないことであると信じています。

 

 

なぜか、最後は個人的な弱音になってしまいましたが(笑)、自分が何をするべきかということについては理解しているつもりです。

 

まだまだ発展途上である地方自治の魅力を創出し、その魅力をより多くの人に知ってもらうために、毎日こつこつ頑張るしかない。

 

与えられた時間を大切にし、明日の姿を想い描きながら、僕は、今日を精一杯に生きます。

 

 

社会的課題が山積する中、時代の流れとともに、必ず、地方自治の重要性は高まります。

 

みなさんも、日々の生活の中で、少しだけでもこれまで以上に地方自治に興味を持っていただきますよう、呼びかけさせていただいて、今回の記事の結びといたします。