小さい頃の夢はプロ野球選手だった。
体格もよく、足も早く、スポーツは万能だった
ただの早熟タイプだ。身長は中学生で止まったし
なんといってもグレた。
早い時期から、酒タバコを覚え、仲間とつるんでいるのが楽しかった。
一流と言われる人は、スポーツなら体格もそうだが、環境や運、努力に加えメンタルが一番重要だと思う。
早々に夢はリタイアしたけど、20代ぐらいの自分が何を考えていたかと思い返してみる。
2.30年後の自分は平凡でもマイホームを建てて、もしかしたら別荘なんかもあって、綺麗な奥さんや可愛い子供達と悠々自適に暮らして立派な大人になっているものだとそう信じていた。
自然とそうなっているものだと。
世の中そんなに甘くはなかった。人間1回目の俺は目先の事しか頭になく、今日楽しければいいやと過ごして来たツケが今になって身に染みる。
それにしても54歳にして、ギャンブル依存症って
さすがに、これは想定外。
じゃあ、今から20年後を想像してみよう。
さすがにノーテンキな俺でも、人間0.5回もとうに過ぎて気付いてしまった。
このままでは、死ぬまで地獄だ。
自分が進む一歩一歩が未来に繋がる。
心も身体も老いて来て、俺も気付く時期がようやくきた。
GAに通うようになって、さまざまな年齢層に驚いた。若い人から、年輩の老人まで。
気付き、やり直すタイミングは人それぞれ違う。
若い人を見て、治療に繋がれて良かった。羨ましいと思う。
でも、年老いてからやり直してる人も、同じぐらい素晴らしい人達ばかりだ。
人生の経験と、深い苦しみから抜け出して笑顔で生きてる。言葉の重みが違う。
上手く生きて来られなかった自分が自暴自棄になり、一発逆転を狙い続け、もし仮に万が一にも宝くじにでも当たっていたとしたら?
調子に乗り、俺はもっとロクでもない人間になっていた。断言出来る。
自分がいつか死ぬなんて、まだまだ先の話しだと
正直毎日を無駄に生きて来た。
実際こんなクソみたいな人生、早く終わりたいとさえ思っていたし、金なんて墓場まで持って行けないんだからと、開き直っていた。
無駄な金をいくら、ギャンブルに注ぎ込んで来たことか。
生きて行くためにお金は大事。
でも、やっぱり死ぬ時に生まれて来てよかったと思いながら死にたい。
そう思えるように1日1日を大切にしよう。
自分の経験を誰かに伝えていくことで、同じように悩んだり苦しんでいる人が一人でも気持ちが楽になるように。
俺の場合はギャンブル依存症という病気がキッカケだけど、悩みのない人なんていない。
完璧な人もいない。
心が元気なら、やり直すことは出来る。
自分自身がまだこの依存から回復出来たなどと思っていないし、一生思ってはいけないのだけど、
俺はもう、ギャンブルはしない。