Q7…コーヒーは便秘に効く?

A…カフェインが間接的に腸の働きを活発にします

コーヒーを飲んだ後に便意が起こった経験を持つ人は結構いるのではないでしょうか。これはコーヒーに含まれるカフェインの作用です。カフェインには胃の粘膜を刺激し間接的に、腸の蠕動連動を活発にする働きがあることが確認されています。ですからコーヒー好きな方は便秘対策として
うまく使うとよいでしょう。

 実はコーヒーには腸を動かす働き以外にもさまざまな効用があることがわかってきました。最も注目されているのは脂肪を分解したり、吸収したりという「血液中の脂質の代謝」を改善する作用 です。京都大学人間・環境学研究科の森谷敏夫教授らの実験で、このことが確認されています。実験では、健康な成人8人を対象にコーヒー、カフェインを除いたコーヒー、白湯のいずれかを飲んでもらい、「呼吸商」という数値を調べました。

呼吸商とは体内て消費された酸素の量と、作り出された二酸化炭素の量の比のことで、糖分やタンパク質を消費している場合には高い値、脂肪を消費している場合には低い値となります。
実験の結果、コーヒーおよびカフェインを除いたコーヒーを飲んだ群では、飲む前に比べ、呼吸商の値が低くなっていました。一方、白湯を飲んだ場合は、呼吸商の値が明らかに高くなっていたのです。これらの結果から、コーヒーを飲むと脂質代謝が活発になり、脂肪が消費されやすいと考えられています。

こうした結果から、最近ではコーヒーによるダイエット効果が期待されています。私がおすすめしているのはコーヒーに食欲を抑えるバニラエッセンスを少量加える方法です。また、甘味には砂糖ではなく、オリゴ糖を使うと排便効果も期待できます。

なお、コーヒーに含まれるカフェインには自律神経に働き、心身をリラックスさせる効果も確認されています。さらに厚生労働省研究所の報告では、コーヒーをたくさん飲む人ほど肝がんの発生 率が低い傾向にある、というものがあります。

なぜ肝がんに予防的に働くのかなど、詳しいことについては明らかではありませんが、研究が進 めばコーヒーの成分が治療に役立つ可能性が出てくるでしょう。

ただし、どんなものでも摂りすぎは禁物です。カフェインの過剰摂取はカフェイン中毒の引き金となります。また、カフェインで腸が刺激されることで、人によっては下痢が助長されることもあります。コーヒーが合うかどうにか個人差があります。それを見極めたうえで、適量を摂るようにしましょう。