誕生日の前日に



婚約指輪が盗まれる盗難事件が


起きてしまいました





高輪警察署からは


刑事さんや


指紋を採取してくださる方々が




慌ただしく


高輪のマンションに


駆けつけてくださいました





ここからは、


面接に来た女性のことを


泥棒と呼ぶことにします




松は泥棒には


面接の際に


お茶やお菓子を出していました




その湯呑みからも


指紋は採取されていきました





泥棒が持参した履歴書にも


指紋はついているはずです



そんなわけで


いきなり、家の中が


サスペンスドラマのように


なってしまったわけです




保育園児の隆一は


なんだか嬉しそうで


指紋採取を真似ていました




私は刑事さんから


事情聴取を受けていました




深夜近くまで刑事さん達は


作業を行なってくださいました




この事件は


30年近く前の事件です




いまだから、


冷静に綴れますが




その夜は


怖くてたまりませんでした




泥棒が再び仲間を連れて


戻ってくるかもしれないと


良からぬ不安が頭をよぎりました




家に男性が居ない


母子家庭の辛さを感じた夜でした




母親ひとりで


子供を育てることは


実に大変でした





小さな息子を抱きしめて


ベッドに潜り込んだのは


深夜近くになっていました





すると、息子が


布団の中から…



ハッピー…

バースディー

ママ…ルンルンルンルン






歌い出してくれたのです


思わぬ幼い息子からの


プレゼントに…🎁


息子を抱きしめながら


涙が流れました




どんなことがあっても


私はこの子を


立派に育てあげると


新たな決意ができた


誕生日の夜でした