最悪な結末を覚悟の上で



別れた夫の借金


1億7500万円を背負って


松は離婚を成立させました




保育園に通っている息子を


抱えながら…


これまで以上に


もっと働かないとなりません





そのために


保育園のお迎え等を


どなたかに


お願いできる環境を整えることが


必要になりました





息子がお世話になっている


区立の保育園は


当時は夕方6時が


最終のお迎え時間でした




講演先から戻るスケジュールは


ぎりぎりに組んでいたので


毎日がまさに


綱渡りの生活



その上に、


もっと働かないといけない状況に


押しやられたわけです




そこで、


人材探しをすることにしました



真っ先に


国の機関である


ハロワーク・公共職業安定所が


頭に浮かびました




そこで


新宿のハローワークへ


出掛けることにしました




まさか、その時、


その国の機関で


事件が起きるとも知らずに


松は期待に胸を膨らませて


新宿ハローワークを


訪ねたわけです






ありがたいことに


すんなりと


適任者の方が見つかり




新宿ハローワークは


ひとりの女性を


ご紹介くださる運びになりました




さっそく、その方は


息子と私が暮らす


高輪のマンションに


履歴書を持参して


面接にいらっしゃいました




なかなか、、


良い感じの方でした


話も弾み、、、


お手伝いをくたさる話も


まとまりました




やはり公的な機関へ


出向いたことは正解だったと


政府に対して


感謝さえしていました





面接にいらした方に


息子に会ってもらいたかったので



高輪保育園へ


息子を


迎えに行くことになりました




面接の彼女には


お家で待っていただくことにしました




隆一はまったく人見知りをしない


フレンドリーな子供だったので


「どんな人かなぁ…亅と


楽しみにしながら


ふたりで急いで帰ってきました




この時に、


留守にした時間は


約15分ぐらいでした




面接のその女性は


同じ場所に座って


私達母子の帰りを待ってくださっていました





隆一とも上手くいきそうだったので



その翌日から


さっそく助けてくださる話が


整いました





すると…


その方が…


なんだか…急に慌てはじめて


そそくさと帰っていかれたのです




その時に、見送った際の


彼女の後姿を観て、、、




なんだか胸騒ぎがしたのです



あれっと思い、、


テーブルの上に置いてあった


彼女の履歴書を手にして


記入してある自宅の電話番号へ


連絡をしてみました




すると、なんたることでしょう




「現在使われていません亅の


アナウンスが流れたのです




この事実を知って…


慌てて、、、


寝室のドレッサーの


引き出しへ向かいました




実は、そこに


宝石を数点入れていたのです




すると、なんと、、



ひとつだけ指輪が


無くなっていたのです




無くなった指輪は


別れた夫から送られた


婚約指輪でした




ブランドは


松が好きな、


ヴァンクリーフアーベル




1906年に


フランス・ヴァンドーム広場に


創立をされた


ハイジュエリーブランド





渋谷の西武百貨店で


別れた夫と2人で選んだ


その婚約指輪だけが


引き出しから


無くなっていたのです





その指輪の値段は


約500万円でした




なにはともあれ


紹介者である


国の機関


新宿ハローワークへ


連絡をいれました




そして、、前日の担当者の方に


ことの経緯をはなして


履歴書に書いてある電話番号が


繋がらないことも伝えました




ハローワークは


履歴書については


事前に確認しているのかと


尋ねところ




なんと呆れたことに


確認はされていなかったのです





ハローワークは


泥棒でも紹介するんですか…と


呆れて言葉を投げたら




そういうことにもなりますと


開き直った返事をしてきたのです




この時の


国・厚生労働省が管轄となる


新宿ハローワークとの


会話はすべて録音をしていました




電話を切ったあと




次に、、


盗難事件ですから


高輪警察へ電話を入れました




すると、刑事さんが


自宅へ駆けつけて来てくださいました



指紋採取等・調書が


我家でおこなわれました




なんと、そのショッキングな


出来事は


私の誕生日の前日に


起きたのでした





婚約指輪が消えました




引出しには


もっと高価な指輪もあったにも関わらず


そのひとつだけが消えたわけです





凄くショックではありましたが




慰謝料も養育費も受け取れず


別れた夫の借金


1億7500万円を背負わされた


前代未聞の


離婚でしたが




婚約指輪が消えたことで



なんだか


心は吹っ切れました



私の選択は


正しかったと思えたからです






しかし、


この盗難事件が


このあと…


思わぬ方向へ


私達母子を導いてくれたのです