重い紙袋を背負って…


実家を出ようとした時でした



母が、はじめてですが


「賑やかにしてくれて…
 ありがとう…亅と


あたしに手を合わせてくれました




実家に

おとうちゃんの世話に帰っても


何がが気に入らない母でした





しかし、

19歳で実家を出てから

今日、はじめてです



母が「ありがとう…亅と

言ってくれました





ずいぶん寂しかったのでしょうね



母の枕元にはセピア色の

母のお母ちゃん

兄弟が写った写真が

置いてありました




母は…

写真を見ながら…



寂しさに耐えていたのでしょうね




あたしに

手を合わせてくれた母に…



あたしも涙が流れました



「気をつけてなぁ…亅


母に…

精一杯の言葉をかけました




生きている限り…

忘れられない素敵な出来事でした