政府は、借り手が家賃を滞納した場合に立て替える保証業者を認定する制度を作ります。
これによって、所得の低い単身高齢者も住宅を借りやすくなります。
高齢者や子育て世帯、低所得者、障害者などは、法律で住宅の確保が難しい「要配慮者」に位置付けられています。
賃貸物件の所有者は、多陳の支払い能力や孤独死などへの不安から要配慮者との契約を敬遠しがちです。
新たな認定制度では、原則として要配慮者の保証を引き受けることや、緊急連絡先を親族などの個人に限定しないことを認定条件にします。
国がお墨付きを与えることによって、入居者が安心して使えるようにするのです。
従来の保証業者は、入居者が払う保証料を主な収入源としています。
それに加え新制度の認定を受けた保証業者は、住宅金融支援機構が提供する、保証業者向け保険の補填率を一部の物件では高くしてもらえます。
つまり、保証業者には、リスクを抑えつつ、家賃保証サービスの拡大を見込めるメリットがあります。
都道府県が指定する「居住支援法人(住宅確保配慮者居住支援法人)」という制度もあります。
この法人は、要配慮者の民間賃貸住宅への入居に関する情報提供、相談や見守り等の生活支援などの居住支援を行います。
居住支援法人の機能も高められます。債務保証や相談業務に加えて、入居者から委託を受ければ死亡後の不用品など残置物を処分できようになります。
賃貸住宅に住みたいという要配慮者のニーズは、高まることが予想されています。
単身高齢者は、2030年には20年よりも2割ほど増えて、800万世帯に迫るという推計もあります。
政府は、法改正によって住宅を貸しやすい環境を整え、借り手がいない賃貸空き家の活用につなげたいと考えています。
親から相続した住宅が放置されて、空き家となることを防ぎたいからです。
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