こんな質問を見た。
 
 

 

 

 

「要領良く」という言葉は
受験業界ではネガティブに
使われることが多いです。
 
予備校講師の先生方も、
「要領良く近道しようとするな!
地道にコツコツ頑張れ!」
などと生徒を鼓舞する。
もはや伝統芸能です。
 
松田は予備校講師失格なので、
なかなかこういう真っ直ぐなことは言えません。
時々言おうとしてはみるのですが、
必ず途中で噛みます。
 
なんか日本には
「地道」「コツコツ」「愚鈍に」
などを美化する価値観が
昔からありますね。
松田はやっぱり、
この価値観が理解できないんです。
 
 
高校時代の同級生の
羽根田君(仮名)を思い出します。
 
彼は間違いなく地道でコツコツでした。
定期テスト対策も、3週前くらいから始めるし、
宿題もきっちりやってきます。  
 
ちなみに、松田は夏休みの宿題は
冬休みの宿題提出のタイミングで
ようやく出す感じでした。
松田の成績も決して良くなかったのですが
なんと羽根田君はそんな松田よりも
いつも下だったのです。
 
他の同級生も、そんな事実を知っていました。
しかし、みんなが思っていたことは、
「羽根田はバカだ」
ではなく、
「羽根田の方法は決定的に間違っている」
ということです。
 
羽根田は誠実で従順な生徒でした。
ノートもめちゃくちゃきれいです。
宿題も予習も必ず怠りません。
ただ、彼はその費やした時間と、
経験とした問題数を誇りに思い、
その状態に満足し安心し、
「考える」ことを放棄する人でした。
 
 
松田は今でも
「正しい努力をする努力の正しさ」
を意識すべきだと思っています。
 
量や時間を目標とするのではなく、
この努力は正しいのかどうか、を考える。
考えること自体を考えるのです。
 
 
羽根田は結局東大はダメで
専門の大学校に進みました。
そして「地道な仕事」に就いています。
同級生はみんな今でも
羽根田の誠実さが好きです。
 
とはいえ、5年前くらいに
超久しぶりに会ったとき
やっぱりイライラしたんですけどね!笑
 
 
要領の良さ
大学受験においては
意識すべきことだと思います。
 
(あ、質問に答えてない!別の回で!)