「釜石の奇跡」と「釜石の悲劇」 | まつ子の気まぐれ旅日記

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*以前はグリーとyahooのサイトにて簡易ブログを記しておりました。
許容量オーバーとブログサイト閉鎖の為、こちらでお世話になります。

皆さんは「釜石の奇跡」と「釜石の悲劇」という言葉をご存じでしょうか?

東日本大震災での津波災害での命運。

人口3.9万人の釜石市では約1千人もの命が奪われました。

 

釜石を含めた三陸地域では古くから津波被害が多く

「津波(命)てんでんこ」という言葉が幼少期に見る紙芝居や絵本で教えられるという。

『てんでんこ』→各自に。それぞれに。

つまり「津波が来たら先ず各自でそれぞれに逃げなさい」という教え。

 

釜石の小学生は、その教え通りに行動し徐々に高台へ避難。

99.8%の子供たちが助かったという。

これが「釜石の奇跡」と呼ばれた出来事だ。

 

そして、まるで対義語の様な「釜石の悲劇」

地域の「防災センター」と呼ばれる施設に避難した196名の住民のうち

162名が津波により命が奪われた。何故に「防災センター」でこのような惨劇が…

 

この施設は雨災害時の避難所としてあり、本来は津波警報時の避難所としては指定されてはいなかった。

ただ、地震や津波等の地域の防災訓練では仮の避難所として活用された。

(本来であれば正式の高台の避難所まで訓練の対象としていたが、住民の高齢化もあり最寄りの防災センターで行われることに)

 

そして「防災センター」という名称。

本来であれば別の施設名称として建設される予定であったが

「防災」と名称をつけることで国からの資金援助が受けられることができた。

 

結果…

防災訓練をやった「防災センター」という住民の意識が根付き多くの犠牲者を出したという。

防災センターに避難した住民の何人かが「ここは危ない、高台(本来の避難所)へ避難しよう」と気づいてくれれば…

 

「津波てんでんこ」の教えの他に10のメッセージ(掟)が公募された。

1・大きな揺れや長い揺れを感じたら あなたは、とにかく高いところへ逃げてください

2・たとえ過去の津波が いま、あなたのいる場所まで来たことがなくてもあなたは逃げてください

3・100回逃げて、100回来なくても 101回目も必ず逃げてください

4・あなたが率先して逃げれば多くの人の避難を促し 命を救うことになるでしょう

5・相手は自然 いつ、どこまでどれほど大きな津波が来るか だれにもわからないのです

6・家族を信じて みなが「命てんでんこ」で逃げてください 自分の命は自分で守るしかないのです

7・地震が起きたら家族が別々の場所にいても探したり戻ってはいけません

8・もし、大切な人の命を守れなくても決して自分を責めないでください

9・やがて平穏な日常が戻ってきたときあなたはきっと気づくでしょう 自分が決して一人ではないことを多くの人に支えられて生きていることを

10・未来のだれかが同じ思いをしないように いま、あなたができること。「避難を続けること」「備えること」「語り継ぐこと」

 

長いブログコメントとなってしまいましたが目を通していただければ幸いです。

それも防災であり減災のひとつになると思います。

 

*10のメッセージと数字などは2020年3月11日付け岩手日報様の記事を引用させていただきました。