Q&A3945 45歳、陰性続きです | 松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

生殖医療に関する正しい知識を提供します。主に英語の論文をわかりやすく日本語で紹介します。

Q 昨年、初期胚11個を2個ずつ移植していき、結局1個も着床すらしませんでした。年齢も44歳~45歳になるので、これを最後の移植と決めておりましたが、松林先生の過去メールを再度拝見させていただき、また主人とも話合った結果、慢性子宮内膜炎の検査を他院でやってみて、それからどうするか決めようという事になりました。

移植していた病院では、慢性子宮内膜炎の検査・NK活性の検査をやってないとの事でしたので、転院いたしました。その結果、NK活性59%、CD138検査10個でしたので、まずは慢性子宮内膜炎の治療として、ビブラマイシン抗生剤+テプレノン胃薬を14日間服用しました。再検査は、移植時にしようかと考えております。NK活性は、移植時に1回3時間のイントラリポスを点滴します。

また3年前に他院でTh1/Th2が11.6、リンパ球クロスマッチ検査はオール1と転院先にお伝えしたら、移植時にタクロリムス併用しましょうとの事で対策を練って下さいました。あと移植時に松林先生よりご提案のありましたERPeak検査もやろうと思います。

これらの検査にエビデンスが乏しいとの事ですが、今できる検査をして原因が判明しましたので、先月から採卵を再度初めております。主人も採卵できるうちトライした方が良いのではという考えです。初期胚1個でしか妊娠した事がないのですが、2個移植を続けた方が良いのでしょうか。他に何か検査をした方が良い、などのアドバイスがございましたら教えて下さい。

 

A 初期胚1個でしか妊娠した事がない場合には、2個移植ではなく1個に戻してみるのが良いでしょう。検査については、クリニックによって多少異なります。参考までに、リプロダクションクリニックでは、下記の採血を行っています。

*甲状腺(TSH、fT4、TPO)、耐糖能(HOMA-R)、NK活性、ループスアンチコアグラント、抗カルジオリピン抗体IgG IgM、抗PE抗体IgG IgM、抗β2GPI抗体IgG IgM、抗aPS/PT(プロトロンビン)抗体IgG IgM、血液凝固第12因子、プロテインC活性、プロテインS活性、25OHビタミンD、銅、亜鉛