選挙制度の「一元化」で創造的破壊!

 

 

 

1、小選挙区制度の功罪

 

1994年政治改革による衆議院小選挙区・比例代表制並立制は、内外の関係者より日本を閉塞させていた金権政治のしがらみを打破した創造的破壊であったと広く認められている。

 

この小選挙区制度は政権交代の実現につながり、わが国の政治に大きなマグマのうねりをもたらし活性化した反面、様々な矛盾も同時に生み出した。

 

30年に亘る私の政治歴で、ひしひしと感じる最大の問題点は、都道府県、市区町村などの地方自治体の選挙制度との「ねじれ」である。

 

すなわち、国政が小選挙区で動くにもかかわらず、地方自治体の選挙区は依然中選挙区であるため、二つのうねりが共鳴して国を動かす大きな動きとならないのである。

 

外国、例えばアメリカ、英国のように小選挙区制を採用する国では、地方自治体も同様の制度を取る例が多い。これは、まさに国政と地方政治との間のねじれであり、やり残した政治改革とも言えよう。

 

私は、この際、国政と地方政治の選挙制度の統一的な在り方を考え、統一した制度を確立すべきものと考える。

これはまさに、既存の区割、境界を破壊し、新たな政治システムを創造するものである。

 

翻って考えれば、日本の変革期においては、明治維新と廃藩置県、豊臣秀吉の天下統一と荘園制の撤廃、鎌倉幕府と武家社会の確立の導入のように、常に既存の区割、境界、関係を打破し、新たな境界を生み出すものであった。

 

道州制、大阪都制など、境界を巡る様々な議論が熱く交わされている昨今の地方自治であるが、私は、この国政と地方自治の選挙区の境界の打破こそが、新たな大きな政治のうねりを作り出すものと考える。